出版社内容情報
~めくるめくマンダラの世界を、美しいヴィジュアルで魅せる~マンダラとは、仏教の中の密教が、真理を視覚を通して伝えるために開発した図像で、幾何学的な構成と強い対称性が特徴です。日本で出版されているマンダラに関する本は、仏教の専門書か塗り絵が大半ですが、本書はその名の通り、マンダラの美しいヴィジュアルを堪能できる他にはない一冊。さらに、密教の図像としての狭義のマンダラだけでなく、世界中に見られるマンダラによく似た図像や、現代作家によるマンダラにまで射程を広げているも本書の特長。マンダラ研究の第一人者である正木晃氏の充実の解説により、マンダラの本質と、その現代性について理解を深めることができます。
目次
第1章 日本のマンダラ(両部曼荼羅―空海が持ち帰ったマンダラ;胎蔵曼荼羅―森羅万象を生み出す母胎 ほか)
第2章 チベットとブータンのマンダラ(砂絵マンダラ―「空」の思想の表現;金剛頂経のマンダラ群―四十種類ものヴァリエーション展開 ほか)
第3章 立体マンダラ・都市マンダラ(二種の立体マンダラ―仏塔か立体マンダラか;タシヤンツェ仏塔―塔=生けるブッダが悪霊悪魔を退散させた ほか)
第4章 世界のマンダラ・新しいマンダラ(ヒルデガルトのマンダラ―神秘家から見た世界;宗教建築の中のマンダラ―思想と美を伝えるかたち ほか)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
姉勤
36
万華鏡のような極彩色と、入れ子構造的配置、宇宙の法則を思わせる秩序とエネルギーの放射の表現。主に密教(秘密仏教)の修法に用いる曼荼羅は、密教が生き残ったブータンやチベット、そして特に日本で発展温存された。図画や壁画の2次元の表現と、寺院、ストゥーパ(塔)として表現される3次元、そしてマンダラ様な、自然物や芸術表現を紹介する。プリズムで分光したような色彩と、電子基盤のように無駄なくコンパスや定規で分けられた、秩序立った配列。金剛(ダイヤモンド)の結晶のような仏の世界。そのイメージの源流は幻視か、理論か。2023/11/12
鯖
20
高野山の両界曼荼羅から始まりチベットを中心に世界中の曼荼羅を集めた本。5人の僧侶が集まり、色付けした粉に近い砂で緻密な曼荼羅を描いて、儀式が終われば全て崩しちゃう砂曼荼羅がやっぱりすごかったですね…。シジフォスの岩や三途の川の石積、シベリアでの一日穴掘らせて、終わりに全部埋めさせる刑罰との違いってなんなんだろな、そもそもすべてに違いはあるのかなと考え込んでしまった。諸行無常。2020/11/22
ジャズクラ本
16
◎図鑑となっているが、美術書であり宗教書でもある。冒頭は高野山金剛峯寺の血曼荼羅(復元)など両界曼荼羅で始まるが、圧巻はやはりインド密教の正統な後継者であるチベットの壁画曼荼羅であり、その掲載数も多い。筆者がチベット密教研究者ということもあって、コラムに仏塔や結界門の写真が掲載されているが、茫洋とした乾いたチベットの土地に屹立するこれらの建造物を見ていると、自然への畏怖や孤独感と共に言いようのない魅力に誘われる。密教は神秘的で奥が深い。その神秘や深さが恐れを伴う魅力となってこちらに迫ってくるのだろう。2020/11/14
いーたん
13
さまざまなマンダラが紹介されるなかで、中世ヨーロッパの女子修道院の院長であり、史上四人目の女性教会博士である、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンのマンダラが目に止まった。2020/11/08
tama
11
図書館本 新刊本で見つけて。私の前にすでに借りてる人がいて「へえー 意外といるもんだな」と思った。曼荼羅って仏教・宗派の理論の絵解きみたいなものか?p140からは余談になってる。地図・絵図みたいな、文字だけ・鹿のもあってへええと思った。鹿のは「日本の神様だけど本当は仏様でバックにこんなにエライ仏がついてるんだぞ」という内容。分かりやすっ。チベット・ブータンの曼荼羅は物凄い。砂絵の曼荼羅凄いっ。一回きりで後、砂に戻すというのも切ないなあ。p116のは多様性容認こそ平和の元という曼荼羅!! 2020/12/19
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