内容説明
ふらりと立ち寄った異国に寒村で、村人から聞かされた保護鳥〈アルプ〉の名。絶滅の危機に瀕しているこの鳥を、村人たちは独自に保護しているという。だが鳥のことを話すとき、村人が見せる得体の知れない“脅え”に、男は興味を覚えた。その姿をひとめ見ようと保護区域に足を踏み入れる男。しかし村人たちの“脅え”の裏には、恐ろしい秘密が…。表題作のほか6篇を収録したSFホラー傑作集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おすし
26
ある朝、家の門に子猫の切断された首が…え、著者猫好きなのに??と思いきや、やっぱり猫好き方面にブッ飛ぶ『猫の首』 唐突でコミカルな展開のほっこりゾンビもの?『安置所の碁打ち』が好み。他に、くだんのはは、女狐、怨霊の国、保護鳥、ハイネックの女、の全7編。得体のしれない、ほらあなたのうしろにも…みたいなホラーも怖いけど、何らかの解決というか理由付けのある方が好みということに気付いた短編集でした。どれもSFや民俗学方面に収束され、ちょっとクドメな薀蓄が挟み込まれるのも小松左京風味(笑)。2021/10/30
FUKU
0
ちょっと文体が難しめ。読みやすいものもあったが、文語調で厳しいものも。最近めの別のものも読んでみるべきかな。2016/07/02
Takashi Edamoto
0
小松左京というと「日本沈没」に「首都消失」が思い浮かぶところだが、こういうホラーも面白い。 有名な「くだんのはは」も収録されているが、やはり表題の「保護鳥」はもちろん、「ハイネックの女」「怨霊の国」の日本の伝説、怪談をSF的に解釈したようなホラーもいい。 小松左京の作風の多彩さに触れられる良い本だと思う。2013/06/17