出版社内容情報
輸入は〈脅威〉になりうるか?
中国等からの輸入の影響はどれくらいあるのか。製造業の雇用や賃金へのインパクトを詳細なデータに基づき分析し「負」の影響を緩和する政策を検討する。
日本の製造業は世界的ブランドであったが、かつての輝きは今はない。とりわけ90 年代以降の中国の経済発展による貿易の影響「チャイナ・ショック」は有名である。その効果は雇用の減少、賃金の低下といった「負の効果」で語られがちだが、本当にそうなのか? 膨大なデータ分析と、負の影響を緩和する「インクルーシブな」輸入政策を模索する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
3
直感的には、輸入が増えると製造業の雇用が減るイメージがあるが、そんな単純な話ではないようだ。というかなにを輸入するのかで話が異なり、廉価な海外産完成品は確かに国内競合各社に圧力をかけるが、国内メーカーがそれまで国内で生産されていた中間品を輸入に切り替えることは、中間品を生産していた国内企業には打撃だが、メーカー側は費用を下げ生産性を上げられるメリットがある。また比較劣位の産業が淘汰され産業構造がより効率的に変化していくことについてまで、輸入品による雇用減と悪影響とみなすのは正しくない。難題。2025/04/25
takao
2
ふむ2024/10/13
Go Extreme
2
輸入は「脅威」か: 「輸入ショック」を知るために―基本データと分析視角: 輸入拡大の影響 雇用・賃金の変化 「インクルーシブ」な貿易 チャイナ・ショック:規模と推移 雇用総数の変化 雇用の創出・喪失 チャイナ・ショックの給与への影響: 従業者と輸入 給与と労働時間 給与格差の拡大 オフショアリングのインパクト: 企業の基本データ 影響の調整 男性従業者の残業時間調整 国内取引を通じた間接効果 インクルーシブな輸入のための政策: 雇用政策の 所得政策 貿易政策・貿易支援策 日本がとるべき施策 2023/11/03