内容説明
途上国でみられる民主化と司法化の交錯。同時に可視化できるこの現象を民主主義の視点からはどのように捉えればよいのだろうか。また、立憲主義の視点からはどのように捉えられるのであろうか。一見、アンビヴァレントな関係を、制度や汚職、歴史軸などの観点から転換期の現状を明らかにしていく。
目次
序章 なぜ司法化なのか
第1章 タイにおける司法化と君主制
第2章 弱い司法の「独立性」―フィリピンの最高裁判所と大統領
第3章 インドネシア憲法裁判所の生存戦略と政治参加
第4章 インドネシアにおける政治の司法化、そのための脱司法化―汚職撲滅委員会を事例に
第5章 自由の守護者か、権力の擁護者か―マレーシアにおける政治的自由と裁判所
第6章 ミャンマーにおける政治と司法―憲法裁の停滞と民主化の行方
第7章 インドにおける政治の司法化と司法の独立―コレージアム体制と第99次憲法改正
第8章 エジプトの司法と「1月25日革命」―移行期における司法の政治化
第9章 ロシアにおける憲法監督制度と政治の「司法化」―憲法裁判所の事例を中心として
第10章 韓国における司法部の党派性の喪失と回復―民主化以後の行政部の司法統制
著者等紹介
玉田芳史[タマダヨシフミ]
1958年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程中途退学、博士(法学)。現在、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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