内容説明
本書では、美学・詩学の視点からヴェイユの思想を体系的に論じ、その真髄を明らかにする。自らの「工場生活の経験」(1934‐35年)を遠景にもちつつ発語された「労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である」というヴェイユの言葉は、社会科学と美学・詩学との連続性を問うものであり、本書は、「見える世界」が極度に重んじられる現代にあって、「見えない世界」が根をもってはじめて「見える世界」が豊かに花開くことを提示する。
目次
第1部 労働と詩(詩学の可能性;シモーヌ・ヴェイユにおけるプラトニズム ほか)
第2部 美的判断力の可能性(美と神秘―感性による必然性への同意;美と実在―シモーヌ・ヴェイユと西田幾多郎 ほか)
第3部 善への欲望(脱創造あるいは超越論的感性論;愛について ほか)
第4部 芸術と倫理(表現について;芸術創造と生の創造 ほか)
第5部 詩をもつこと(詩をもつこと―シモーヌ・ヴェイユと鈴木大拙;暴力と詩―「人格と聖なるもの」、「『イーリアス』あるいは力の詩篇」を手がかりに ほか)
ほとんど無、あるいは美
著者等紹介
今村純子[イマムラジュンコ]
思想史・芸術倫理学。現在、慶應義塾大学・女子美術大学・武蔵野美術大学非常勤講師。1967年、東京生まれ。2002年、フランス・ポワチエ大学哲学科博士課程DEA修了。2003年、京都大学大学院文学研究科思想文化研究専攻博士後期課程単位取得。2010年、『シモーヌ・ヴェイユの詩学』で、一橋大学大学院言語社会研究科学術博士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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