内容説明
富強国イギリスの実際を目の当たりにし、「遅れてきた青年」日本の懸命な学習ぶりが描かれ、そして切ない思いが吐露される。一方、スコットランドでは自然の美しさにしばしの憩いの時をすごす。
目次
イギリス総説
ロンドン市総説―明治五年七月一三日から一四日
ロンドン市の記・上―七月一五日から三〇日
ロンドン市の記・中―八月一日から一〇日
ロンドン市の記・下―八月一一日から二六日
リヴァプール市の記・上―八月二七日から二九日
リヴァプール市の記・下―八月三〇日から九月一日
マンチェスター市の記・上―九月二日から三日
マンチェスター市の記・下―九月四日から六日
グラスゴー市の記―九月七日から一〇日〔ほか〕
著者等紹介
水澤周[ミズサワシュウ]
1930年東京生まれ。1954年早稲田大学文学部卒。NHK、国際文化振興会、日本読書新聞等を経てフリー編集兼ライター(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月世界旅行したい
6
百閒は一見にしかず。ということでおそらくこの旅最大の目的であろう工業国家イギリスを直接見てまわるエピソード。2015/09/11
薙沢 ゆき
1
訪れたことのある場所についての記事がいっぱいで、おもしろかったです。 特に、ロンドンタワーに展示されている甲冑が、明治時代のそれなりに目利きができそうな人からしてみればガラクタ扱いなくだりとか。飾ってあるからすごいわけじゃなくて、何でも自分がすごいと思える物を見つけたらその根拠も自分の中にみつけるほうがいいんだなと。2015/08/07
Hiroki Nishizumi
1
面白かった。実に多くの数値・統計が記載されており、当時のナンバーワン国家、英国の様子が手に取るように分かる。特に製鉄ガラス製紙といった素材産業の原理は確立されており現代とあまり変わらないことが興味深い。折々に「西洋人と東洋人に根本的な違いはなく、ただその向かうところが経済的意識の下で実利を求めるのか、高尚な空理空論なのかだけだ」と何度も書いてあるところが久米の(あるいは岩倉使節団全員の)苛つきと希望を強く感じる。夜明けの国家なんだな、と。2012/09/25
Fumi Kawahara
0
面積・人口、共に同じくらいの規模の島国・立憲君主国、しかも世界経済覇権国とあって、視察にも自然と気合いの様なものがふつふつと感じられる。植民地にされるのを警戒しつつも、憧れの国だったんだろうなぁ・・・西洋と東洋も、根底にあるものはなんら変わらないって感想もらしてるけど、「あいつら、ヨーロッパちゃう」なんて言われてる英国と、「あいつら、華夷秩序に入ってない」な日本が、西洋代表と東洋代表でええんでしょうか・・・(^_^;)・・・互いに中心からちょっと外れてんのも、共通項かw2013/08/09