内容説明
福沢諭吉没後100年。激動の近代日本を導いた独立自尊の人。自伝文学の最高傑作。常用漢字・現代かなづかいで読みやすくしました。充実した注で理解を深めることができます。詳細な年表・索引を付しました。
目次
幼少の時
長崎遊学
大阪修業
緒方の塾風
大阪を去って江戸に行く
はじめてアメリカに渡る
ヨーロッパ各国に行く
攘夷論
再度米国行
王政維新
暗殺の心配
雑記
一身一家経済の由来
品行家風
老余の半生
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃん
12
福澤諭吉の生き様から「独立自尊」の具体的意味が少し分かった気がした。まさに自由闊達で恬淡とした福澤の生き方に惹かれた。特に面白かったのは、適塾時代。目的なしの勉強に没頭する意義に改めて気付かされた。2016/12/08
速読おやじ
3
福澤諭吉って、こんなにやんちゃな人だったっけ?若い頃のエピソードは笑えるものも多く、また幕末の激動の様子も伝わってくる。こんなに面白い自伝はなかなかない。さらっと書いてるけど、当時西洋の学問を学ぶために、本を全部書き写したり、翻訳したりと、福澤諭吉を初めとして当時の学者は半端ない。明治維新の際に政府に入れと再三要請されたにも関わらず、学者という立場を貫いた。学問のススメも読んでみようっと。2014/04/26
あんPAPA
2
「学問ノススメ」や「天は人の上に・・・」の印象から聖人君子の様な人物かと勝手に想像していたが、「天邪鬼なところのある反骨の人」という事が良く判った。この時代背景の歴史小説は佐幕・勤皇両サイドのものを読んでいたが、そのいづれにも殆ど登場する事が無かった。居合の達人でありながら人を斬ったことが無い。生涯細君以外の女性と接したことが無い。となると確かに活劇的な要素は少ないような・・・。しかし、一貫して西洋列強に伍するには開国し教育に注力する以外無いという信念に基づいて行動していた為、銃後の人となったのであろう。2022/06/03
siomin
2
言わずと知れた福澤諭吉の自叙伝。独立自尊を貫き政府に媚びることなく、攘夷の空気の中でも開国論を貫き、自らを信じ勉学に努める。固い話ばかりでなく、若き諭吉の放縦とした振る舞いはなかなか面白い。幕末明治維新の話ですが、その混乱のなかで生きてきた諭吉の思想は、今にも通暁するなあと。 今は知らないが、十数年前は諭吉が創始した大学に入学する生徒にこの本を配布してました(表紙は違うけど)。ずっと実家にあったのを今更になって読み直してみたけど、こんなに面白かったとは。2014/11/23
すももとうさぎ
2
幕末史に疎い私には難しかったです(´Д` )しかし、目下の人だからといって侮らない、偉い侍だからといって媚びないという福沢先生の姿勢がよく伝わってくる自伝でした。2012/09/05