出版社内容情報
本書は理研・革新知能総合研究センターの成果をもとに、AI の負の側面の紹介とAI設計・運用における倫理指針を示す。
目次
1 AI脅威論:概念編(カーツワイルの言う「シンギュラリティ」;ボストロムの言う「超知能」 ほか)
2 AI脅威論:現実編(知的な職業が危ない;AIに脅かされないと言われている職業は本当に大丈夫か ほか)
3 AI技術の簡略史(AIとIA;最初の夏と冬 ほか)
4 AIの不都合な現実(フラッシュクラッシュ;プロファイリング ほか)
5 AI倫理の目指すもの(透明性と説明可能性;アカウンタビリティ ほか)
著者等紹介
中川裕志[ナカガワヒロシ]
1975年東京大学工学部電気工学科卒業。1980年東京大学大学院工学系研究科電機工学専攻修了、工学博士。1980年横浜国立大学工学部講師。1981年横浜国立大学工学部助教授。1994年横浜国立大学工学部教授。1999年東京大学情報基盤センター教授。2003年東京大学大学院学際情報学府兼担。2004年東京大学大学院情報理工学系研究科数理情報学専攻兼担。2018年東京大学名誉教授。同年理化学研究所革新知能統合研究センター社会における人工知能研究グループグループディレクター。専門分野は人工知能、プライバシー保護、人工知能倫理など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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funa1g
2
AIに関して、巷間でなされている(非現実的な)認識から始まり、歴史の概説、倫理を述べる。倫理についても、一義的な正解を決めない態度が貫かれており(例えば明確なフェアネスを定義することは困難であること)、その困難さとどう向き合っていくかが課題だと突きつける。現状なされている提言についても概説されており、自分は詳しくなかったのでためになった。現状は提言に留まっているものも多く、GDPRにも穴があるため、今後AIによる倫理的な課題にどう取り組んでいくかについては、資格なり監査なり動きがありそうだと感じた。2022/02/06
oritako
0
社会におけるAIをどう考えるべきかを突きつけられる。この本を読んで、自分が取り組んできたプライバシーの研究もAIと切り離せないものだと実感した。2019/12/16