内容説明
第二次大戦下のドイツで、ナチスに対しては徹底した抵抗運動を繰り広げ、教会に対してはラディカルな問いを投げかけたボンヘッファーの生涯と思想を学ぶ。
目次
第1章 生涯
第2章 教会として存在するキリスト
第3章 高価な恵み
第4章 代理と形成としての倫理学
第5章 非宗教的キリスト教
第6章 遺産
著者等紹介
船本弘毅[フナモトヒロキ]
1934年静岡県生まれ。1959年関西学院大学大学院神学研究科修了。1962‐64年米国ニューヨーク、ユニオン神学大学大学院に留学。1973‐74年スコットランド、セントアンドリュース大学大学院博士課程に留学、1982年同大より博士号学位受領。関西学院大学教授、同宗教総主事、南メソジスト大学客員教授、東京女子大学学長などを歴任。現在、関西学院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やまふじ
2
ボンヘッファーはヒトラー暗殺計画に加担し処刑されたドイツの牧師である。私なりに彼の思想をまとめるとこうだ。①ガンジーの中にイエスを見出すほどの非暴力思想②神を媒介にした我と汝の関係性の重視(他者のために苦しむことの重要性)③科学の発達した近代以降の世界(「成人した世界」)でこそ逆説的に神が必要とされる(「神の前で、神と共に、神なしに」生きる)。④貧しく疎外された者の中にイエスを見出す。これらから非暴力主義者にも関わらずヒトラー暗殺に加担するという矛盾を生きた彼の姿が浮かび上がってくる。 2024/11/17