出版社内容情報
東京オリンピックの年、単身渡米した著者はキルトと出会い、社会を草の根から動かしてきたその底力に驚嘆する! 日米をキルトでつないだ35年の記録であり、キルトの文化史でもある。
内容説明
日本人の海外旅行が解禁となった東京オリンピックの年に単身渡米。日米をキルトでむすびつづけた著者の、三十五年間の貴重な記録。
目次
キルトに魅せられて(自分を見極めるための旅立ち;ニューヨークに根をおろす ほか)
キルト万華鏡(「助け愛」;ボルチモア・アルバム・キルト ほか)
アメリカン・キルトを支える人々(キルト・フェスティバルの仕掛け人;自分のアイデアを縫いこむ ほか)
キルトを作り出すためのヒント(いつまでも生き続けるキルト;大切なのは発想のユニークさ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しまめじ
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キルトはそもそもどういう理由で始まったのか、それはどんな目的で行われたのか、それによってアメリカの女性がいかにして社会的発言権を持とうと努力していったのか…手芸というか手工芸と合わせて女性の社会進出をときほぐした本。その歴史を語りながら、同時に戦後日本の女性の社会への意識や発言、作者の若くしてアメリカに渡って仕事をしてきた歴史もたどってゆく本でもある。ただこうしてキルトの意義を日本に紹介してきた作者が現在は日本の谷中に住み、更に歴史を遡ってフックドラグを普及している事を思うとなんだか不思議ですなぁ。2014/09/19
KiKi
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社会的発言権を持たなかった時代のアメリカ女性が、ある種のメッセージボードとしてキルトに想いを込めた話だとか、開拓時代の女性たちが実用目的のみならず、相互助け合いの1つのきっかけとしてキルトをみんなで作っていた話(フレンドシップ・キルトの初期形でしょうか?)だとか、居住区の教会で行われる様々な催し物や福祉活動のいわゆる資金作りのためのキルト作成の話だとか、単なる手慰み以上のものであったキルトの歴史を知ることができたのはとても勉強になりました。2011/02/11