感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田蛙澄
4
概ね動物倫理においては西洋的人間中心主義の諸悪の根源の如く批判される印象があるキリスト教の神学で逆に動物倫理をやるということで、なんとなく興味があって読んだが、予想以上に感銘を受けた。神の創造物として動物を見て、かつ神からの支配の委託が専制的暴虐でなく世話や配慮を意味するという所から、創世記やイザヤ書、福音書などを引用しつつ、キリスト教に動物の神学があるということを提示しているのは感動的だった。またシュヴァイツァーやバルトを引用しながら生命主義的な路線を擁護してるのも興味深い。ただ信心が必要なのがネック。2019/07/05