内容説明
新生アフガンを活写!乾いた砂漠に潜む地雷の恐怖。猛暑のなかで渇きと闘いながら時速20キロの中古車で街道2500キロを行く。アジアの旅の達人・下川裕治がカメラマンの阿部稔哉とともに硝煙いまだ残る荒涼の大地に決死の覚悟で挑んだ見聞録。
目次
カイバル街道
サラン街道
マイマナ街道
カンダハル街道
著者等紹介
下川裕治[シモカワユウジ]
1954年長野県松本市生まれ。78年慶応義塾大学経済学部卒業。新聞社勤務を経てフリーに
阿部稔哉[アベトシヤ]
1965年岩手県岩泉町生まれ。87年東京綜合写真専門学校卒業。『週刊朝日』嘱託カメラマンを経てフリーに
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感想・レビュー
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ヴェネツィア
341
パキスタンからカイバル峠を越えてアフガニスタン入り。ジャララバードからカブール~マザリシャリフ~ヘラート~カンダハル~カブールとアフガニスタン1周の旅である。時は2002年。ニューヨーク同時多発テロの翌年のことである。目的はアフガニスタンに行きたいという以外にはほぼない。その意味では純粋に旅人の姿勢が貫かれており、視線もまた旅人のそれである。この地での旅があまりにも過酷であったためかジャーナリスティックな目を配る余裕もあまりなさそうだ。ある意味では酔狂というしかない。2022/06/06
高木正雄
3
羊の糞をガブガブ飲むまで喉が乾くというのはどういう感覚なんだろうか。下川さんとカメラマンが病気になり後半が駆け足になっているが、本人ももう少しみて回りたかったのではないだろうか。乗り合いタクシーにつけるあだ名のセンスも面白かった2025/02/12
キーホン
2
こんなにも違う世界があると感心。 世の中には危険な冒険をする数多の人がいるのだから、ペットボトルの水もこぼさずには飲めない悪路を、もの凄い下痢に悩ませられながら進む、このアフガニスタンを旅した作者とカメラマンのような人もいるのだろう。 砂に埋もれた戦車や命を脅かす地雷の背景に広がる自然の美しさは人間の卑小さとの対比のようだった。そして彼らの社会情勢はそこに生まれたというだけで彼らのせいでもないだろうし。お茶したり、女のDVDみたり、銃にシール貼ったりの男たちの影で、女はどう生活しているのかが気になった。2021/02/08