内容説明
*この電子書籍は固定レイアウト方式で作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末での閲覧に適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能は使用できません。
人気シリーズ「乙女の本棚」第25弾は、若き日の芥川龍之介が翻訳したアイルランドの文豪・イェイツ×イラストレーター・ホノジロトヲジのコラボレーション!
小説としても画集としても楽しめる、魅惑の1冊。全イラスト描き下ろし。
少年は薔薇と百合とを両腕に抱えきれぬほど集めた。
アイルランドの湖のほとりで、老人と少年は今まさに秘密の儀式を執り行おうとしていた。
若き日の芥川龍之介が翻訳したイェイツの『春の心臓』が、有名ゲームのキャラクターデザインなどで知られ、本シリーズでは江戸川乱歩『人間椅子』、夢野久作『死後の恋』、『瓶詰地獄』、泉鏡花『外科室』を担当する大人気イラストレーター・ホノジロトヲジによって描かれる。
名作文学と現代の美麗なイラストが融合した、珠玉のコラボレーション・シリーズ。
自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寂しがり屋の狼さん
67
『乙女の本棚』シリーズ26冊目📚ウィリアム・パトラー・イェイツ(芥川龍之介)、挿絵は同シリーズでは『人間椅子』『死後の恋』『瓶詰地獄なども手掛けたホノジロトヲジさん(◕ᴗ◕✿)』この作品は私には難しかった(笑)2023/04/04
たまきら
38
えっ… William Butler Yeatsだよね、The Heart of the Springだよね?流麗な日本語にうっとりしたけど、アイルランドのかたまりのような、素朴なあの詩人の言葉をこんなふうに訳したんだ…へえ~。ケルトの神秘と謎に満ちた詩人だけど、文章は結構素朴なのよね。漢字で「愛蘭土」と書くことははじめて知りました。私のイメージだと寒さで荒れ大地で汚れたほっぺのアイルランド人の若者と隠者だったけど、この不思議な世界観イラストも面白かったです。2023/12/14
ぐうぐう
38
老人と少年のある秘術にまつわる物語。魔術に仕えた老人がその魔術により不老不死を得ようとする。しかし少年は魔術に恐れを抱いている。イェイツの『春の心臓』を訳しているのが芥川龍之介ということに驚かされる。老人と少年、どちらに芥川が共鳴しているのかは、芥川のその後を知る私達には明らかのように思えるが、この小説を訳したのが若かりし頃のことだと知ると、ニュアンスが違って見えてくる。ホノジロトヲジの画は、ただ幻想的なだけではなく、若き芥川がこの物語に魅せられた理由をも写し取ろうとしているかのように、刺激的で魅惑的だ。2023/01/17
にゃおこ
35
乙女の本棚と銘打ってあるだけあって、美しいが、私の目にはちょっと厳し目のフォント、コントラスト。2022/06/25
gtn
31
神に近づきたかった老人と、彼を思慕する少年。だが、春の鼓動の鮮やかさを前にして、老人の遠回りの人生は何だったのかと思う。少年も、それに気づき、新たな人生を歩み始めるはず。2023/09/25