内容説明
「土着世界観」の洗練に見出す“日本的なもの”。粗雑で主観的な「日本の個性・アイデンティティ」が社会に流布する一方で、考察対象のあまりの広範さから学問としての成立が困難な「日本文化論」。“こじつけ”や“フィクション”ではない学問としての日本文化論の確立を、加藤周一の「土着世界観」論を手掛かりに試みる意欲的論考。「日本らしさ」をめぐる数多の論説を吟味し、人類史的視点から新しい日本文化論を目指す―。
目次
第1章 加藤周一「雑種文化論」の問題
第2章 加藤周一における「土着世界観」の追求
第3章 加藤周一における「土着世界観」論の確立
第4章 加藤周一における「土着世界観」論の展開
第5章 “日本的なもの”とは何か
第6章 従来の「日本文化論」をどう理解するか
著者等紹介
干場辰夫[ホシバタツオ]
1952年石川県羽咋市生れ。1975年京都大学法学部卒業。1983年同志社大学大学院法学研究科(政治学専攻)博士課程満期退学。現在の所属学会:日本民俗学会、日本文化政策学会(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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