内容説明
ある日を境に、彼らの生活は一変しました。まさか、そんなことが起ころうとは、想像すらできないことでした。しかも、彼らの子どもの命を奪った加害者は、少年だったのです。本書は、不幸にも理不尽なことで、愛する子どもを奪われた親たちが綴る手記集。
目次
西条一幸君(宮城県)(隣の家の息子が加害少年でした;黒を白にする手助けをした大人たち)
田本任君(沖縄県)(息子の死の直前に誓ったこと)
武孝和君(大阪府)(息子が集中治療室にいたころの私と家族;ウチの嫁はんをほめてやりたい)
藤本季之君(埼玉県)(生涯消えることのない心の傷;もう一度釣りに行きたくても行けない親父;両親思いのトシは大切な大切な弟だった)
星野大悟君仮名(東京都)(やりたいことがたくさんあった十九歳)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tnyak
3
読み続けるのが辛くなる。不当かつ身勝手な理由で人生にピリオドをうたれた被害者、そして突然、子どもを亡くした保護者の無念の思いに心がいたみます。2022/03/28
はなちゃん
2
20年前の本だけど、少年法改正について20年後の今も議論されている。最近ちょっと改正されたようだけど、もしかしたらこの少年犯罪被害者当事者の会の活動の成果なのかもしれない。各事例を読んでみると、ほぼほぼ加害少年の親も知らんぷりなようで、家庭環境は大いに関係ありそう。少年犯罪は罪を償うより更生を目指すのなら、親も含めた更生指導していかないと結局変わらなさそう。2022/09/26
鈴木律
2
しんどい1冊でした。自分の身に置き換えて考えると、もうただただ辛い。2021/07/31
小心
2
少年法の名のもとに加害者が保護され、一方被害者側は誤った報道をされ傷つき、賠償金は踏み倒され、加害者の顔も知らないまま(情報を教えてもらえなかった)に暮らしていかなければならない。少しずつ少年法も改正されてきてはいるようだけれど、リンチ殺人の加害者が1年ほどの少年院送致で社会復帰して普通の生活を始め、謝罪にも訪れなかったら、被害者家族の無念さは計り知れないものがある。事件から時が流れ、「傷口は小さくなったが、逆に深くなった」という遺族の言葉が胸に刺さる。2017/02/22
はしこ
2
涙なしに読めない。リンチ殺人に関する事項が多いため、大勢に追い詰められる被害者の恐怖感を思うと、心底、辛い。それを聞かされる、知らされる親は犯人を憎んでも憎みきれないだろう。しかも少年犯罪ゆえに数年で社会に戻ってきてしまうことがまた腹立たしい。被害者側なのに世間に白い目で見られるのも変な話だ。変な話ゆえに、今の報道のあり方や被害者遺族の立ち位置は体験された方々の努力の結果なのだと思うと頭が下がる。こういう本が増え、もっと読まれることを望みたい。2016/04/02
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