内容説明
実在した少女、“アリス・プレザンス・リデル”とお話の中の“アリス”。ふたりのアリスの秘密をさがしに、ルイス・キャロルの不思議な世界へ…。イラストと写真満載の、決定版“アリス”。
目次
1 すべては金色の昼下がりに始まる
2 “アリス”の原風景
3 “アリス”に魅せられた画家たち
4 ルイス・キャロル逸聞
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mijas
48
ドジスンさん(ルイス・キャロル)は、金色の昼下がり、きらきら光る川面に小舟を浮かべながら、子供たちにお話を聞かせていたという。「また今度だよ」と話を終えると、子供たちは夕映えの中、家路をめざす。ゴッドストウ村の美しい写真と在りし日の一コマが紹介されている。「ドジスンさん」と子供達から愛されたキャロルであるが、子供たちに送った手紙もまたユーモアと愛情に溢れている。子供たちを喜ばせるために登場させた不思議な動物たちをキャロル自身と重ね合わせる読み方があるのだと知る。様々な画家の挿絵の見比べも楽しい。2016/06/23
わむう
19
ルイス・キャロルは自然や人との出会いをとても大事にした人だと思いました。原画も載せられていて不思議の国のアリス好きな私には垂涎の一冊。2020/04/08
G-dark
8
ナンセンスをセンテンスにしたナンセンスな作家ルイス・キャロル…本名チャールズ・ラトウィッジ・ドジスンの生涯と、アリスのモデルとなった少女アリス・プレザンス・リデルの生涯をまとめた本。もしもドジスン先生と現実のアリスが出逢わなかったら。アリスの物語が即興で浮かんでこなかったら。現実のアリスがその物語を気に入って、「アリスのお話を書いて欲しいの」とドジスン先生に頼まなかったら。もしそうなら、世界中の人々がこんなにもアリスの世界を愛することはなかったのだ、と思うと、不思議。本当に偶然生まれた傑作なのですよね。2013/08/23
袖崎いたる
5
妖精呼ばわりされる少女たち。キャロルの性癖に関して、中にはヤバい人だったという評もあるけど、この本ではそうでもなさそう。少女たちからチュッチュクされていたことは確かっぽいけれど、それもフィリアとかってまではいってないように思えてきた。この本だと当時の文化ってことになってる。相手方の親への配慮などを見る限り、キャロルの真摯に作品に向かってのもののようだ。だけど、アリスのママに嫌われたっぽい瞬間があって、それってのはキャロルが夜中の9時まで娘たちを連れ出しちゃったから。それとキャロルの堅信ぶりは特筆だね。2019/11/07
なつきネコ@幼女に化けてます
3
これを読むとルイス・キャロルの事が好きになる。子供達への手紙は愛情やユーモア、さらには子供達を同等に見ている事がわかる。どこかに遊びにいくたびに自作パズルを持っていく、素敵な大人は今はいない。さらにルイスやアリスな原風景を見ると不思議の国が出来ていくのに魅了された。特に帽子屋にモデルがいた事や、グリフォンから見る父親とか、彼自身の世界が素敵に思えた。さらに数々の挿絵は本当に魅力的、気に入りはW・H・ウォーカーのアリスの無重力感が素敵。2015/05/21