内容説明
関東軍の実態は、単なる軍団ではなく、その出発当初から政治や外交に深く関与し、本国の指針とは別に独自の判断で、満洲を運営していた政治軍団であった。彼らの特殊性と暴走を許した謎に迫る。
【目次】
序 章 関東軍とは何だったのか
第一章 日露戦争と戦後処理問題
第二章 関東軍の誕生
第三章 満洲事変・満洲国と関東軍
第四章 満洲国の再編と関東軍
第五章 国境紛争の多発化
第六章 ノモンハン事件と関東軍
第七章 ホロンバイル平原を行く
第八章 「関特演」とその後の関東軍
第九章 関東軍壊滅
第一〇章 敗戦とシベリア抑留
終 章 政治集団と化した関東軍
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
5
関東軍の誕生から崩壊、敗戦後のシベリア抑留までの歴史。主だった出来事への関東軍の関わりと政治的にも存在感を増していく様子が見て取れる。しかしタイトルの割に2百ページちょいに纏めているので、表面的な記述に留まっている感あり。防疫給水部(731部隊)については触れていない。逆に著者が最近訪れた関連跡地の様子が興味深い。張作霖爆殺現場、九一八歴史記念館、ノモンハンの古戦場、ハイラルの南に残る、日本軍がソ連軍の侵攻を防ぐため爆破した橋梁等。各々跡地への力の入れ具合から中共が選択する歴史が見え隠れする。2015/06/04
りんふぁ
2
関東軍を名前だけでその実態がよくわからなかったため読んでみた。よんでもよくわからなかった。2017/04/09
船長
2
こちらに言わせれば、この程度はちょっとした本やドラマや映画でいくらでも知ってた。タイトル詐欺。この本こそなんだったのか。2015/08/15
ハンギ
2
関東軍や満州を語る事の難しさを感じた。左側からは山室信一が満州について語り、おそらく右側であろうが、小林も語っている。タイトルはどちらかというと「関東軍は軍隊だったのか?」みたいな切り口が良かったのでは。関東軍は脆弱な軍隊だったと小林は徹頭徹尾語っているが、肝心の政治、外交面について語っていないのは腑に落ちない。政治集団としての関東軍、警察機構としての関東軍ならば、小林も高く評価するだろう。ただ関東軍という言葉に踊らされているのではないか。関東軍とは本当に軍隊だったのか。読後そんな印象を持ちました。2015/04/12
m_syo
1
関東軍の設立から崩壊までをつづった本。しかし、その主体はどこにあったのか、よく伝わって来なかった。 2015/09/03