内容説明
自他共に認める“動物園マニア”の前園長による、上野動物園史。ほろ苦い思い出、びっくり行動の動物たちなど、絵はがきと共に楽しめる、珠玉のエピソード満載。
目次
絵はがきへの歩み『上野動物園案内』
絵はがきへの歩み『上野動物園動物画面帖』
明治から大正へ―写真による絵はがきの登場
大正から昭和へ―カラー絵はがきの登場
戦争の時代へ―厳しい現実
戦後の復興と動物園の発展
著者等紹介
小宮輝之[コミヤテルユキ]
1947年、東京都中央区日本橋に生まれ、その後、千代田区神田で育つ。幼少の頃より上野動物園に足繁く通い、明治大学農学部を卒業すると、1972年に多摩動物公園で日本産動物と家畜の飼育係になり、動物園人人生を歩み始める。その後、上野動物園、井の頭自然文化園の飼育係長から、多摩、上野の飼育課長を経て、2004年から2011年までの七年間、上野動物園園長を務める。現在は豊かな経験と知識を活かし、執筆や講演などで動物の魅力や生態を伝える活動を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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鯖
14
上野動物園の歴史を絵はがきで追う、動物園の元園長さんによる本。かわいそうな象と象のいない動物園で刷り込みされた者としては、トンキー見ちゃうと泣けて泣けて仕方なくなるのであった。明治に開園した当初、外国から初めて来た生き物は意外なことにカンガルーやウォンバット。地理的に離れていた宗主国イギリスから経済的自立を図りたかったオーストラリアとの外交によるものらしい。…世界情勢や経済から自由なものなんか何一つとしてないのだよなあ。2016/01/27
Humbaba
6
写真が貴重である時代だったからこそ、絵はがきは今よりもずっと有効なものであった。普段あったこともない生き物の姿形を知る。それは、非常にわくわくすることであり、その話を聞くことは何よりも興味深く、心躍らせるような娯楽であった。動物に関する知識が今ほど豊富でなかったからこそ、大変であり、そして楽しめた部分もあるだろう。2014/01/17
In vino veritas
1
年代別の動物の絵はがきにかつての上野動物園園長による解説が添えられている。恩賜上野動物園の名称は宮内省より東京府へ土地が下賜されたことから。 外国との動物交換交渉の経緯は興味深く日本近代化に動物がこんなにも関わっているとは知らなかった。戦時中の猛獣処分など暗い時代もあるが上野動物園がいつの時代も人々に人気の場所であったことがうかがえる。インド首相ネルーからのインド象寄贈、中国のパンダ外交、日本初の水族館、分園拡張、日本初モノレール、お猿の列車...動物園の役割は想像以上に大きかった。2016/09/08
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