内容説明
紛争に巻き込まれてゆく当事者の認知を基盤に、あるべき紛争交渉支援を模索。社会に遍在する紛争とその紛争への対処をめぐる著者の研究の集大成。「紛争交渉過程」という当事者の目線から紛争をとらえ直す。
目次
第1部 紛争研究の視点(紛争研究パラダイムの再構成へ向けて;交渉としての紛争過程―紛争交渉の視点;紛争研究の変容と「合意」批判―法人類学の転換をめぐって)
第2部 ADRの構造と過程(現代における紛争処理ニーズの特質とADRの機能理念―キュアモデルからケアモデルへ;ADRの理念と構造;法化社会における自律型ADRの可能性―「法の支配」の脱構築;自立型ADRモデルの新たな展開―紛争交渉論とトランスフォーマティヴ・アプローチ;調停における中立性とケアの倫理;ADRにおける「自律」と「介入」;ADR手続における専門性と法情報―日本型法環境とADRの機能)
第3部 紛争交渉の個別課題(家事調停における対話促進スキルの適合性;医療事故ADRの二つのモデルと機能性;対話モデルとしての医療メディエーション;無過失補償理念導入の二つのモデル―スウェーデンとフランスの医療事故補償制度)
著者等紹介
和田仁孝[ワダヨシタカ]
1955年生まれ。京都大学大学院法学研究科博士後期課程修了、博士(法学)。京都大学助手、九州大学教授を経て、早稲田大学大学院法務研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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