内容説明
緒方洪庵に華開いた大坂蘭学。いま、その源流が明かされる。山片蟠桃など町人文化人たちに白羽の矢を立てられ、傘の紋書き職人から蘭学の世界にあざやかに登場した橋本宗吉(号・曇斎)。その役割を見事に演じて時代の激流に呑まれるように消えていった宗吉の生涯、大坂町人衆の心意気―後に、緒方洪庵の適塾にいたって大輪の花を咲かせた大坂蘭学の原点と脈流をたどる。
目次
第1章 打ちこわしのなかで
第2章 龍の住み家
第3章 江戸討入り
第4章 町人蘭学者誕生
第5章 浪花蘭学の総帥に
第6章 運命の陰り
第7章 時代の嵐の中で