出版社内容情報
「窓」は、いかに西洋における「近代自我」の発達、そして「文化」の育成に影響を及ぼしたのか?本書は、この主題を、絵画と文学を横断して、詳細かつ具体的に批評するものであり、齢九十を過ぎた著者による集大成の書である。
内容説明
文学・美術・文化を包括したひとつの芸術論。「窓」は西洋における「近代自我」の発達、「文化」の育成にいかなる影響を及ぼしたのか。卒寿の著者による「絵画」と「文学」を繋ぐ批評の集大成!
目次
プロローグ “窓”いろいろ
第1部 近代の幕明け(アルブレヒト・デューラー;ピーテル・ブリューゲル ほか)
第2部 小休止(“窓”不毛の時代)
第3部 ロマン主義の時代―窓辺に立つ人々(フランシスコ・コウツ;ヨハン・ヴィルヘルム・ティッシュパイン ほか)
第4部 世紀末に向けて―孤独な人々の窓(ジョン・エヴァレット・ミレイ;ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ ほか)
第5部 二十世紀 挑戦の時代―「アート」となった“窓”(アンリ・マティス;ピエール・ボナール ほか)
エピローグ 西洋の“窓”、日本の“窓”
著者等紹介
荻野昌利[オギノマサトシ]
1933年横浜市生まれ。東京教育大学卒業。東京教育大学大学院修士課程修了。文学博士(名古屋大学)。南山大学大学院教授を経てその後、名誉教授。日本英文学会会員・評議員・編集委員。日本ヴィクトリア朝文化研究学会理事・同会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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榊原 香織
106
窓、をテーマに西洋美術史を。著者は英文学者。なかなか面白い。選んだ絵も一味違う2025/04/07
Go Extreme
1
光の取り込み口 内外の境界 社会文化思想の変化を映す鏡 ガラス窓の歴史は意外と浅い 秘伝の技術 神の視線が天上から斜めに射す 視線は権力の根源 絵画は外界の対象が投影される窓 見られるという視点 市民のステータス・シンボル 窓の画家フェルメール キアロスクーロの技法 自然との交歓の場 内面を映し出す鏡 窓辺の女 社会の断面をユーモラスに描く 開かれた窓が社会参加への外向き 孤独や絶望の象徴 世紀末の不安 色彩と線の組み合わせ 親密な空間 現実の認識の不確かさ 現代人の孤独や疎外感 自我の成長や発展に貢献2025/04/13
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