内容説明
本書は、英国高齢知的障害者の生活実態を赤裸々に描いたものである。若年層の知的障害者はコミュニティ・ケアの恩恵を受け、非常にレベルの高い生活をしているとの多くの研究報告と較べると、高齢知的障害者の生活実態は悲惨ともいえる状況であった。本書の内容はショッキングであろうが、福祉現場の現実を直視して英国福祉政策は発展を重ねている。日本でも知的障害者の高齢化問題は「親亡きあと」の問題として注目されているが、この英国の事例はわれわれに多大の示唆を与えてくれる。
目次
第1章 特別養護老人病院―「リスリッド」
第2章 公立老人ホーム―「ポンタダウェ」「ガワー」
第3章 プライベート・レジスタード・ホーム―「スケッティ・ホーム」
第4章 公立ホステル―「マエステーグ・ホステル」
第5章 家族の視点―スタッフとの軋轢
第6章 脱施設策のジレンマ
第7章 真の豊かな生活をめざして―高齢知的障害者、そしてすべての知的障害者の福祉向上への道