内容説明
仮病でサボることこそ仕事のできる男の証！？殿様の日常は家臣に監視されがんじがらめ！？江戸には火事を待ち望むひとが大勢いた！？回顧録の記述の中から、幕末維新期における人びとの意識の有り様を探る。
目次
第１部 時代とひと（変革期の意識；尊王攘夷の転変；維新期の身分意識 ほか）
第２部 支配とひと（儀礼と“身体”；儀礼の中の非儀礼；「表」と「奥」 ほか）
第３部 社会とひと（大名家の生活と規則；武士の生活と体面；お辞儀 ほか）
第４部 江戸とひと（火災；江戸東京人の生活圏；江戸地域論）
著者等紹介
高尾善希［タカオヨシキ］
１９７４年、千葉県千葉市生まれ。立正大学大学院文学研究科史学専攻博士後期課程研究指導修了満期退学。博士（文学）。現在、立正大学文学部史学科非常勤講師。研究テーマは江戸・江戸近郊の地域史。江戸文化歴史検定協会など、首都圏各地で歴史講座・古文書講座の講師を務める。実弟は囲碁棋士の高尾紳路（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トムトム
28
その時代の空気感というか雰囲気は、ただデータを残そうとした真面目な文献からは得られない。色々な人の回顧録を読んで複数の人が同じような事を言っていたら、それは本当なんじゃないか？という事を集めた本です。この本を読むと、江戸時代の人々の暮らしが生き生きとしてきます。大変興味深い本でした！とっくの昔に亡くなった私の祖母は、米・漬物・汁という食事しか摂っていませんでした。貧乏なのかなぁと思っていたのですが、江戸時代の食事は全員そんなものだったと知り、何か腑に落ちました。2021/03/27
誰かのプリン
8
明治に入って徳川時代の回顧録を紐解き、当時の世相、礼式、生活を紹介.解説している。 時代が明治に入っていることや 時が経つているため多少割り引いて読むのが必要かなぁ。 でも第13第将軍 家定は暗愚かどうかの論証は、外国人の回顧録を紹介し興味を引いた。2017/01/19
Kuliyama
1
楽しく拝読しました。明治生まれの祖母の話をもっと聞いておけばよかったと思いました。2014/11/22
Tadasu Nunotani
1
江戸時代を生きた世代の証言をまとめたもので 明治の近代化で否定、抹殺されがちな話を浮かび上がらせている。 ありきたりの歴史本に飽きた方にオススメします。2014/06/07
武隈
0
とても面白く読みました。江戸時代に生きた人々の回顧録から当時の人々の意識、習慣、行動などが良く判ります。江戸・明治から140年余り、現代の日本人の意識は随分変わりましたが、著者の曾祖母の話などから、自分の明治生まれの祖母の「明治気質」を思い出しました。著者の歴史学者としての考察が的確で、武家の儀礼、殿様と臣下の関係、将軍家定がしっかりしていたことなど、また田舎では侍を見たことの無い人もいたとか、興味深い話ばかりでした。久しぶりに歴史の面白さに触れました。2014/07/27
