内容説明
日常言語の中に音法則の不思議を発見する喜び、その不思議を納得に変える醍醐味を、日本語や英語を通して丁寧に解説した音韻論の本格的入門書。要素間の「関わりあい」という統一的視点から音韻理論のこれまでの歩みを辿りつつ、現在の最適性理論までに至る歴史的必然性も明らかになる。実証と理論をバランスよく配置した解説は、音の獲得、類型、歴史変化、社会的バリエーションに及ぶ。
目次
第1章 関係論としての音韻論(「音声」が「言語音」になるとき;言語音と虹の関係:範疇化とプロトタイプ ほか)
第2章 音素と規則との関わりあい(音の表示レベルと四つの音韻パターン;日本語の鼻濁音の文法 ほか)
第3章 規則と規則との関わりあい(段階的派生;規則の縦の関係1:順序付け ほか)
第4章 規則と制約との関わりあい(規則と制約の関わりあい方;制約を介した規則の相互作用 ほか)
第5章 制約と制約との関わりあい(最適性理論の基本的枠組み;制約に基づく文法モデル ほか)