出版社内容情報
主人公の潤間さやかは、中学の卒業証書を受け取っていない。
義務教育さえまともに終えていないという枷が、社会でも家庭内でも、さやかを生き辛くさせていた。
しかし、ある日、さやかは夜間中学という存在を知る。
それは、戦争や貧しさや病など、さまざまな事情で義務教育を終えられなかった大人たちの集う学校だった。
二十歳の春、さやかは河堀夜間中学への入学を果たす。
仲間たちに支えられて過ごす日々が、学校や親への不信で雁字搦めだったさやかの心を解きほぐしていく。
やがて、さやかには密かに叶えたい、という夢が芽生え始めるのだが……
【目次】
著者等紹介
高田郁[タカダカオル]
兵庫県宝塚市生まれ。中央大学法学部卒。1993年、集英社レディスコミック『YOU』にて漫画原作者(ペンネーム・川富士立夏)としてデビュー。2008年、小説家としてデビューする。2013年『銀二貫』で第1回大阪ほんま本大賞を受賞し、2022年には第10回となる同賞の大賞を『ふるさと銀河線―軌道春秋―』で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みんとあめ
40
夜間中学のお話。主人公は中学でいじめに遭い、卒業証書を受け取らず、義務教育を終えていないことで、生き辛さを抱えている潤間さやか。「夜間中学」初めて知ることばかりで衝撃の連続だった。戦争やいじめ、様々な事情で学ぶ機会を奪われた人たちの事情や現実に、胸が張り裂けそうな思いでいっぱいになった。その中でさやかや夜間中学に通う仲間たちのやり取り、さやかが変わっていく姿に、何度も涙が溢れた。「学び」とは、誰にも奪われないものを自分の中に蓄えるということ、心に刻みたい。沢山の人に読んでほしい物語だ。2026/06/18
10$の恋
27
人間って、挫折を乗り越え支え合って生きることが大切だと思わせて頂いた_。少し昔の夜間中学校、何らかの事情で義務教育を終えられなかった人たちが通う大切な学び舎。残留孤児・異国人・いじめによる中学中退、老若男女が様々な過去を背負い「義務教育卒業」の証を得るため通う。うつむいて歩む人生では夜空の星も見えない。ツラい時があるのは誰でも一緒。今からでも一歩足を進めようとする。足元だけを見つめて歩むのじゃなく「夢の輪郭」を見つけること、それこそ人生の指標だと思う。高田郁さんならではの安らぎを感じて夜空を仰ぎたくなる。2026/07/07
よっち
27
いじめから不登校になり、中学中退ゆえに社会でも家庭内でも生きづらい日々を送る潤間さやかが、20歳の春に河堀夜間中学への入学を果たす物語。不信感から中学の卒業証書を受け取りを拒否した重さを痛感する彼女が、様々な事情で義務教育を終えられなかった大人たちの集う夜間中学で仲間たちに支えられて日々を過ごすうちに、学校や親への不信で固く閉ざされた心を少しずつ解きほぐしていく展開で、いろいろ難しいこともありましたけど、人との関わりを通して少しずつ変わることで、叶えたい夢も芽生え始めたこれからを応援したくなる物語でした。2026/05/15
Sakae
24
年齢も将来も経験も全く違う人々が学びたいという一心で教室に集う。字が読めない、言葉を知らないということで孤独を感じてきた彼らにとって夜間中学校とは、自分は決して1人ではないと分かる唯一の場所だったのだろう。また卒業後の進路は様々だが、学校で得た経験や感情はずっと消えることなく胸に残り続ける。勇気を出して一歩踏み出せば、本当に楽しくて輝かしい世界が広がっているかもしれない。そして何かを始めるのはいつからだって遅くない。私も毛嫌いせずに幅広い分野の教養を身につけて、誰にも奪われないものをたくさん手に入れたい。2026/06/15
shinchan
22
髙田郁さん初読みでした。この小説を読むまでお恥ずかしい話、夜間中学校の存在を知りませんでした。義務教育未修了者数がこの時代で170万人もいて全国に夜間中学校が35校あったんですね。今年の秋に映画化決定との事、どんな作品に仕上げるのか楽しみですねー!涙、涙、でしょう きっと、、、、、。2026/06/29
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