出版社内容情報
老中・水野忠邦による人々に倹約を命じた天保の改革の真っ只中、多摩の役人だった辰ノ輔は、告げ口をしたことで立場が悪くなり養子に出されて、廻り方同心となった。
早速見習いとしてある同心の下についたのだが、その男・本庄茂兵治は、同心でありながら暴利を貪る金貸しも行っていた!
辰ノ輔は自分の役割を裏稼業の監視と割り切って、茂兵治の下で働き始めるのだが……。
貨幣経済へと移り変わり、武士の地位が落ちていく中、銭をもって善を為す痛快時代劇の登場!
内容説明
老中・水野忠邦による人々に倹約を命じた天保の改革の真っ只中、多摩の役人だった辰ノ輔は、告げ口をしたことで立場が悪くなり養子に出されて、廻り方同心となった。早速見習いとしてある同心の下についたのだが、その男・本庄茂兵治は、同心でありながら暴利を貪る金貸しも行っていた!辰ノ輔は自分の役割を裏稼業の監視と割り切って、茂兵治の下で働き始めるのだが…。貨幣経済へと移り変わり、武士の地位が落ちていく中、銭をもって善を為す痛快時代劇の登場!
著者等紹介
伊藤尋也[イトウヒロヤ]
1974年、岐阜県明智町(現・恵那市)生まれ。2021年、『孫むすめ捕り物帳 かざり飴』で時代小説作家としてデビュー。2023年、『土下座奉行』で日本歴史時代作家協会賞の文庫書き下ろし新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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PAO
11
「この赤鬼金太郎、銭に卑しいどころか『銭に誇り高い男』であった」…天保の改革のさなか廻り方同心本庄茂平治がその改革の裏を行くような暴利を貪る金貸しを行っていたという意外な設定で始まる物語ですが、実は茂平治は改革から落ちこぼれた人々の受け皿であり、貨幣経済への転換期に銭の力を使って悪事を暴きます。いつもは悪役の鳥居耀蔵が重要な役回りで最後の意表を突く展開と合わせて続編が楽しみです。茂平治の部下となった辰之輔の義妹の佳代がけなげにお弁当作ってくれたり跳ねたりで『マケイン』の佳樹ちゃんぽくてかわいいですね。2025/02/15
dokuni_san
2
同心が金貸ししてるってだけでも破天荒なんだが守銭奴がスジを通す理屈が一周回ると人助けに見えちゃうっていうのはなかなか面白かったな。2024/11/16