内容説明
七夕飾りで客を迎えた一膳めし屋丸九の今日の献立は、熱々の白飯にしじみのみそ汁、脂がのったかさごの煮つけ、青菜と大根のじゃこ炒め、それに白玉の梅蜜かけ…。河岸で働く男客たちがすべて気持ちよく平らげ帰って行った後、常連客で酒屋の隠居の徳兵衛は、暑いから米の飯よりそうめんがいいと言う。おかみのお高が茹でたそうめんをうまそうに食べる徳兵衛はその上、お高の父・九蔵が出してくれた「黄色いそうめん」をまた作ってくれと言い出して…。気前のよいおかみのもてなしが皆を喜ばせる、シリーズ第七作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
165
無性にだだちゃ豆が食べたくなるよ。ずんだもちもね。そうめんかぼちゃも久しぶりに食べたいなと、今作は個人的には食べたいものばかりだった。ついにお高が自分のありったけの想いを作太郎にぶつけたな!その想いが届くといいけどね。でも作太郎より草介の方がいいと思うんだけどね。その作太郎、自分が選んだ道なんだから、うじうじしてないでシャキッとしろ!とその場にいたら怒鳴りつけたい。次作は、お高と作太郎の恋路がどうなるのか楽しみ。もちろん料理も楽しみです。2022/05/01
タイ子
81
相変わらず一膳めし屋丸久の白いご飯が美味しそう(ここの白飯は料理小説の中でイチオシ)常連さんから黄色のそうめんのリクエストが。お高の記憶にない料理。シャキシャキと酢醤油で食す野菜そうめんと言えば…。丸久で働くお栄、お近。それぞれに好きな人がいて、昨日まで幸せそうにしていたのに…。うーん、男女の仲は分からないものです。それより気を揉ませるのが、お高と作太郎。ていうか、作太郎はありゃ駄目だ。お高の気持ちに気が付きながら何で気ままな事できるかなぁ。草介の方がよほど実があるのにね。って近所のおばちゃんか、私は。2022/04/23
kagetrasama-aoi(葵・橘)
45
「一膳めし屋丸九」第七巻。暑い夏に食欲をそそられるお料理が一杯で、嬉しくなりました。黄色いそうめんのお話、そうめんかぼちゃのことだったんですね。子供の頃、瓜のように見えるのに、茹でると細くなるのを不思議な気持ちで見てました。甘くしておやつに食べさせてもらったこと思い出されます。閑話休題、お高と作太郎の仲、どうなるんでしょう。焦れったいです。それに引き換えお栄の決断は清々しいです。女の生き方も其々ですよね。次巻が待たれます、続きが読みたいシリーズです。2022/07/26
はにこ
32
丸九屋のお高とその身の回りを描く第7弾。自分の道を切り開きつつあるもへじに比べて作太郎は相変わらずですな。そんな中途半端ものに手を差し伸べるお高。これで2人はすすむのでしょうかね。2022/07/30
tomtom
23
お高のはっきり出来ない様子にモヤモヤしたけど、最後のところはかっこよかった。けどやっぱりお寅が一番カッコ良い。2023/05/03