内容説明
伊達三傑の一人として数えられる猛将・伊達成実。知略で政宗を支えた片倉小十郎に対し、主君より一つ歳下として生を受けた成実は、武勇で天下への野心を支え続けた。伊達南領の要衝・大森城の城主、伊達家第一席の重臣として、何度も政宗の危機を救ってきた右腕である。その勇猛さは、会津攻めの中核として、数多くの軍功も上げる。だがその生涯の謎とされるのが、豊臣秀次が謀殺された後の、突然の伊達家からの出奔である。右手の大火傷という将としては致命的な傷を得ながら、龍の右目にならんと生涯を戦い続けてきた猛将は、なぜ伊達を去り、また戻ってきたのか。俊英が描く、鮮やかな男の生涯。
著者等紹介
吉川永青[ヨシカワナガハル]
1968年東京都生まれ。横浜国立大学経営学部卒業。2010年に『戯史三國志 我が糸は誰を操る』で第5回小説現代長編新人賞奨励賞を受賞してデビュー。2012年『戯史三國志 我が土は何を育む』で第33回吉川英治文学新人賞候補。2015年『誉れの赤』で再び第36回吉川英治文学新人賞候補となる。2016年『闘鬼 斎藤一』では第4回野村胡堂文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Die-Go
40
図書館本。右目を疱瘡により失った伊達政宗。その右目となりて戦国を駆け抜ける決意をした伊達成実の物語。テンポよく物語は進み読みやすいことこの上ない。成実の思いと現実が段々と合わなくなって行く様は切ない。★★★★☆2023/02/28
金吾
26
自分の存在意義を悩み出奔するぐらい愚直に政宗についていく姿に家臣を超えたものを感じます。葛西・大崎一揆の部分が面白かったです。2022/11/26
春風
18
黒糸縅の仏胴具足、進むを知って退くを知らぬ毛虫の前立て。伊達三傑の一人、政宗の従兄弟・伊達成実の一代記。疱瘡によって右目を失った政宗に、幼き日の成実は「俺が右目になってやる」と誓う。愚直に武で主君を支えた日々は過ぎ去り、時は豊臣の天下となり、惣無事により戦のない世の中が到来。同じ伊達三傑の一人・片倉小十郎景綱の文官としての能力に妬心を抱き、自らが掲げた右目になるという意味に惑う。成実の太平の世に生きる理由は何か?謎とされる突然の出奔を軸に、成実の苦衷が語られる。2020/05/23
茶幸才斎
2
幼少期をともに育ち、天下への野心を燃やす主君、伊達政宗を支える家臣第一席の伊達成実は、疱瘡で右目を失った政宗の胸中に巣食う激情と狂気の暴発を諌め抑えつつ、人取橋、郡山、そして会津蘆名氏との決戦場である摺上原の戦で持ち前の武勇を発揮する。だが、情勢判断や政治手腕においては政宗腹心の片倉小十郎景綱に及ばぬ自覚から、次第に己の存在意義に迷いを抱く。成実の心情が痛いほど分かる。時は移ろい、今の自分は役に立てているかと自問する。しかし、昔のあの喧騒動乱に再び身を浸したいかと問われれば、即答はしかねる。遺憾なことに。2025/11/29
ko-shin
2
伊達の毛虫 男の話 感動2024/01/14




