内容説明
晴れて夫婦となった着物始末屋の余一と、一膳飯屋の看板娘・お糸。しかし互いに忙しく、夢にまで見た夫婦の暮らしはすれ違いが続き、お糸はひとり思い悩んでいた。一方、大隅屋の若旦那・綾太郎は、朝っぱらからうんざりしていた。西海天女と呼ばれている唐橋花魁が吉原で着る最後の打掛を大隅屋で作ったことが江戸中の噂となり、それを一目見ようと、客が押しかけてきたからだ。唐橋に恨みをもつ札差の澤田屋や、京の老舗呉屋問屋、井筒屋江戸店の店主・愁介がつけ狙う中、唐橋の最後の花魁道中は無事に終わるのか!?待望のシリーズ第九弾!!
著者等紹介
中島要[ナカジマカナメ]
早稲田大学教育学部卒業。2008年「素見」で第2回小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小梅
126
着物始末暦シリーズも9巻目。5巻ぐらいまでは、じれったくてじれったく「あ〜もう!」って思いながら読んでましたが、ここにきてグイグイ良い感じに展開してきてます。余一の出生を知る尼僧が登場!千吉とおみつの今後が楽しみ。表題の「白に染まる」が良かった!2017/11/12
とし
110
着物始末暦「白に染まる」9巻。そろそろ最終章か、お糸の懐妊、余一の過去、唐橋の身請け、お玉と綾太郎、様々な確執、恩讐、問題が等と少しずつ解けていくようですね。2018/01/23
万葉語り
52
唐橋花魁の引き際がとても素敵でした。それを演出した綾太郎はもう立派に大隅屋を背負って立っている。大した考えもなくただ敵を倒すことしか考えない井筒屋に利用された紫扇が気の毒でした。余一は人が変わったように優しくなり、千吉もなんとかなりそうで、まとめに入った感がある9巻でした。2019-1182019/08/18
ぶんこ
46
お糸がつわりで苦しむとは、そして余一が甘い父親になると宣言するとは、嬉しい驚きの連続でした。余一には六さんも居るのにと思いつつ、お糸と我が子との家族ができるということの重み、喜びに胸が熱くなる。唐橋花魁の最後の打ち掛け創りの一件から、井筒屋が江戸から撤退。その逆恨みから六さんを襲い、庇った千吉が刺され、千吉の看病におみつが関わりと怒涛の展開。おみつの奉公人らしからざる言動に呆れつつ、つくづく綾太郎はいい人です。次巻で最終。手元にあるので楽しみです。2019/01/25
美月0217
38
今回はお糸ちゃんと余一・・そしてそこに井筒屋・・ でも今回気になるのは千吉と・・・どうなっていくんかねぇ・・今回はのろけの話?が多くて着物の始末は少なく・・でもでも次巻は家族が増えて・・の話なのかな? 井筒屋との関係はどうなっていくんだろう・・2017/08/18