内容説明
一膳飯屋の看板娘・お糸は悩んでいた。長年、自分が想いを寄せている着物の始末を生業とする職人・余一にはきっぱりと振られてしまった一方で、浅草田原町にある紙問屋の若旦那・礼治郎からは嫁にきてほしいと言われたからだ。想い人を忘れることが出来ず、悶心とした毎日を過ごすお糸の姿をみて、長屋に住む達平が強引にお糸を余一のもとに連れて行った。余一はそこで自分の壮絶な過去を打ち明け、お糸とは夫婦になれない理由を告げる…。果たして二人の恋の行方は!?話題沸騰の大人気シリーズ、待望の大六弾!!
著者等紹介
中島要[ナカジマカナメ]
早稲田大学教育学部卒業。2008年「素見」で第二回小説宝石新人賞を受賞。若き町医者を描いた初長編『刀圭』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
139
着物始末暦「錦の松」6巻。余一の過去が明らかに、と同時にお糸とのわだかまりも溶け更に前向きの話になるのかな、着物始末にまつわる絡みが少し薄くなっている感じがもするが次巻を楽しみにします。2016/05/04
小梅
117
お針が苦手な嫁と姑がそれぞれの夫に浴衣を縫う事になるやり取りで笑ってしまった。 やっと余一とお糸の想いが通じ合えて良かった。 まだまだ喜んでばかりはいられないんだろうけど、ひとまず良かった。2016/03/24
はにこ
67
大隈屋のお玉の先祖の話が綾太郎に。井筒屋がしつこくてムカムカする。綾太郎、しっかりとお玉を守って!余一の過去がとうとう明らかに。そして余一とお糸は互いの気持ちをやっと伝える。余一のウジウジのせいでおみつもお糸も、礼治郎もいい迷惑だったよね。清八の親心が優しくてじんわりした。余一は素敵なパパを落とせるかな。2020/10/26
も
61
今まで進みが遅くてすんごいじれったかったのに、まさかまさかの急展開!あとは、綾太郎とお玉夫婦と井筒屋のことが心配かな。どう決着つけるのでしょうか。一気に読んでないせいか、はじめのほうの話がかなり薄れてきちゃったのだけど、そもそも余一さんはなんでお糸ちゃんのこと好きになったんだっけ??2016/03/16
万葉語り
59
やっと収まってよかった。おみつは気の毒だけれど、きっとお嬢さんのために頑張っていればいいことがあると思いたい。井筒屋さんは、お玉のことをあきらめず綾太郎に秘密をばらしてしまった。この粘着体質は、余一の父親と通ずるものがあるような気がする。2019-1122019/08/13