内容説明
文久三年八月―玄遊堂の面々は、壬生浪士組が主催する相撲興行を観るために壬生寺境内へ。そこで水野八重太は、二度と会いたくないと思っていた男の姿を目にする。故郷・武州多摩の天然理心流道場でこっぴどく叩きのめされた苦い思い出のある、沖田という名の天才剣士だ。彼と目が合った瞬間駆けだした水野を、沖田が追ってくる。逃げる水野は、壬生浪士組の筆頭局長・芹沢にぶつかってしまい、新たな因縁が生まれるが…。幕末の京を舞台に、蘭学塾生たちの青春と歴史が交錯する、新感覚の時代小説シリーズ第三弾!!
著者等紹介
小松エメル[コマツエメル]
1984年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。2008年、あさのあつこ、後藤竜二両氏が選考委員を務めるジャイブ小説大賞で、初の大賞を受賞しデビュー。著書に、デビュー作の明治人情妖怪譚『一鬼夜行』シリーズ(ポプラ文庫ピュアフル)、『うわん七つまでは神のうち』(光文社文庫)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Norico
14
前巻で想像はしてたけど、やっぱり出てきた沖田総司。水野は子どもの頃から変わらないんだなぁ。都合の悪いことは忘れちゃいがち。泉の謎は判明し、辻占の女性の正体も分かった。さて、これからどう展開してくのかな?2021/01/31
まみ〜
8
シリーズ第3作?壬生浪士組が主催する相撲興行を塾生たちと観に行った水野は、かつて故郷で痛い目に合わされた少年剣士・沖田の姿を見る?慌てて逃げた水野は、筆頭局長・芹沢にぶつかり、あわや斬られそうに?そこで芹沢の刀から赤い煙が出ているのを見た?翌日、芹沢が命じた襲撃現場を訪れた水野は、沖田から声をかけられる…?泉からは「浪士組に関わるな」と忠告されるが、またもや首を突っ込んで行く…? うん、良かったかな?泉の秘密、金森の願い、八重太の想い…?不穏な時代だけど、それでも進む姿はいいと思います?2018/10/15
カゲツナ
8
壬生浪士組、来たぁ!!(後の新選組ですよね) 赤い煙、天狗、子狐ときて鞍馬山での危機。ハラハラドキドキでした。 泉の秘密というか宿命は、切ないですねぇ。 『葉桜屋』の看板娘には、えっ!?でしたよ。 面白かったです。2015/06/02
TITO
7
やっと新撰組絡んできた。泉の謎も解けて、ちょっとスッキリ。でも、まだまだ伏線回収出来てないところあるから、先を読まないと…。2020/06/28
どんまいシリル
5
鞍馬に天狗。伏見に狐。それだけで、心が躍るなぁ。今回明かされる泉の過去は、人智を超えてしまい、もう、ビックリ。ここで、新選組が絡んでくるのは、邪魔な感じがしないでもない。次巻へ。2016/02/29