内容説明
新選組ファンの著者が、デビュー前から大切に温めていた物語は、やがて国民的大ベストセラーとなる。「壬生義士伝」と、それに続く「輪違屋糸里」にまつわる数々の誕生秘話、取材時のエピソードが、エッセイ、インタビュー、対談の中で明かされる。浅田版新選組の魅力があまさず盛り込まれたファン必読のガイドブック。
目次
1 『壬生義士伝』から『輪違屋糸里』へ(対談 新選組対談始末記(浅田次郎/黒鉄ヒロシ)
「島原界隈」案内 ほか)
2 映画の中の『壬生義士伝』(巻頭辞 映画『壬生義士伝』に寄す(浅田次郎)
新選組を小説や映画はどう描いたか(縄田一男) ほか)
3 作家の生い立ち(銀幕の父母;金と時間 ほか)
4 初めに言ありき(新選組の研究;『壬生義士伝』余話 ほか)
5 浅田版新選組人名録(池田七三郎;石塀小路の女 ほか)
著者等紹介
浅田次郎[アサダジロウ]
1951(昭和26)年、東京生まれ。著書に「地下鉄に乗って」(第16回吉川英治文学新人賞)「鉄道員」(第117回直木賞)「壬生義士伝」(第13回柴田錬三郎賞)「お腹召しませ」(第1回中央公論文芸賞、第10司馬遼太郎賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちゃとら
63
この本は「燃えよ剣」を読むにあたり役立ちそう⁈と内容を確認しないでBOで購入していた。最初の方は、浅田次郎さんと色々な方との新撰組談義。子母澤寛、司馬遼太郎が描くまでは新撰組は悪者だった。浅田さんから見た新撰組などとても面白く読めたが、中盤から、いろいろな対談を集めているようで重複部分が多いのが気になった。後半は浅田次郎さんの生い立ちと作家としての話し。とりあえず、「壬生義士伝」を観てみようと思いました。2020/05/22
えみ
59
人生の一冊、私は間違いなく浅田次郎著『壬生義士伝』を選ぶ。憧れなんて可愛いものじゃない、本気で惚れる、とはこういうことだと…無償の愛を叩き込んでくれた小説。物語ではない、彼らは確かに存在していた。卑しくもあり愚かでもあり、だけど誰にも負けない信念と活力があり、泥臭いものが美しいと教えてくれた人生の書。今回はファン必読ガイドブックとして『壬生義士伝』『輪違屋糸里』生みの親である浅田氏が新選組と関わりを持つ方々と対談し、新選組とは自分にとってどういう存在なのかを語り尽くしている。衰えない魅力の秘密ここにあり!2023/06/11
Die-Go
51
図書館本。浅田次郎による、『壬生義士伝』『輪違屋糸里』の解説本。対談やエッセイなども載っていて、新選組だけではなくて浅田次郎の世界を知るのに良い。★★★☆☆2017/12/13
おさむ
45
柴田錬三郎賞の「壬生義士伝」を読む前の予習本として読了。新選組は各作家の個性が反映されるもの。浅田さんが主人公にしたのはこれまで知られていなかった吉村貫一郎。かなりの脚色を加えているとのこと。そして新選組を義に殉じた男たちではなく、ただカネのためだけに生きた男たちの物語と解釈する。尊王攘夷や尽忠報国はお題目。見下すのではなく、人間とはその程度のものだという。本著は対談や書評、映画の俳優さんのインタビューから新選組人名録、ひいては浅田さんの生い立ちまでがごった煮ですが、浅田新選組を堪能するにはぴったりです。2018/03/17
アイシャ
39
こんな本があるのを知らずに過ごしてもったいなかった。浅田氏の新選組三部作のどれかをお読みの方、あるいはたんに新選組好きの方はワクワクすると思う(ただし一刀斎夢録は出版前。最初の『私の新選組』なる随筆での主要隊士のキャラクター描写がまず面白い。『沖田総司、暗鬱。巨躯。強面。そうでなければ一番隊長は務まらぬはず』ありゃりゃ~歴史的な存在意義を持たないため、新選組ほどデッチ上げがし易い対象はないらしい。新選組以外の随筆、特にご両親のことについてはとても興味深い。再読、再視聴を含め読みたい本もたくさんできた2023/08/03