内容説明
九四六年。高元譲を倒すために、大明秀は高氏渤海に潜み、機会を狙っていた。一方、大地を全て血に染めながら進軍する突欲の猖獗軍は、高氏渤海軍を追いつめていた。明秀は息子のチョルモンや安東勇魚とともに、闘いの場へ向かう。それぞれの野望と大義がぶつかりあう中で、死にゆく者と生き残る者。明秀を待ち受ける運命は果たして…?壮大なスケールで描く大長篇伝寄ロマン小説、堂々の完結篇!
著者等紹介
平谷美樹[ヒラヤヨシキ]
1960年岩手県生まれ。大阪芸術大学卒業後、岩手県内の美術教師となる。2000年6月、『エンデュミオンエンデュミオン』(ハルキ・ノベルス刊)で作家デビュー。同年、長篇SF『エリ・エリ』で第1回小松左京賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひげお
5
長編もついに完結。渤海や契丹など自分にはあまり馴染みのない時代・場所だったこともあり新鮮で楽しめた。国とは何なのか考え続けることになるのだろうけど、現代でもよく分かってないのだからしょうがないか。2013/12/13
みっちゃんondrums
5
終わってしまった。ああ、そういう終わらせ方か。戦闘シーンが多いのが読んでいてつらかったが、感動的だった。物語に浸りながらも、国とか人の生き方について考えさせられるものだった。東日流や須哩奴夷靺鞨のように生きられたらいいね。契丹の歴史をもっと知りたくなった。2013/11/01
のりべぇ
2
嗚呼遂に終わりました。秀明の親の仇、高元譲は明秀に討たれた。ここまで高元譲が生き残るとは意外でした。突欲は愛する芳蘭により死す。そして、一巻目の洞窟の日本の鎧の謎に繋がった。明秀は云う「政を人任せにするなら、信任した為政者の咎は自分の咎と考える覚悟が必要だ」と。終章で「政治家は民衆が求める噓をつく。民衆は求めて騙されるが、熱が冷めたとき公約違反と騒ぎ出す。多くの日本人は幾つもの正義が故に戦争が起こることを知らず、単純な善悪に置き換えて語る、そんな姿に戦慄さえ覚える」…きついね。2017/06/10
しんさん
1
渤海、契丹、耶律阿保機などのワードにひかれてうっかり手を出してしまった全10巻。ようやく読了。2017/03/13
kan
1
最終巻完結。突欲のアナーキズムに辟易、ナイーブな国家観はいまさら。中国の易姓革命王朝交代を解き明かしてはいない。2015/05/15
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