内容説明
縁談相手の百合との破談騒ぎを免れた北町奉行所定町廻り同心・井原伊十郎は、盗人『ほたる火』の探索に心血を注いでいた。江戸市中では『ほたる火』の人気が高まり、浮世絵までもが評判になっていたのだ。その浮世絵を見た伊十郎は、音曲の師匠・おふじに似ている事に気付く。絵師の鳥海英才に話を聞くと『ほたる火』の顔をその目で見たという。やはりおふじが『ほたる火』なのか?一方、伊十郎の元に赤子を抱いた若い女が訪れた。女の話では、赤子は伊十郎の子だというのだ。全く身に覚えのない母子の登場に頭を抱える伊十郎。不徳か陰謀か…独り身同心の行く末は!?シリーズ第三弾。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『絆』で日本推理作家協会賞、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。社会派推理小説や時代小説で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
25
許嫁には軽くあしらわれるが、同心としての仕事はキッチリこなし事件を解決するのだが、「ほたる火」の正体が掴めず進展しない井原伊十郎さんではないが読みてもちょっとイライラかな(笑)2013/09/08
nyanlay
6
シリーズ3作目。私生活はもっとグダグダだったような気がしたけど、中々どうして。仕事が忙しくなって来ているせいか、私生活の場面が減っているせいなのか判らないけれど、主人公が『よく出来るオトコ』に見えてきた。許嫁の言動が謎ですね。2017/05/25
sken
6
相変わらず惚れた許嫁にはめっぽう弱く、仕事は結構できる独り身同心。うっかりしていたんですが、この作者さんは三人佐平次の方だったんですねぃ。途中でちょっとだけ佐平次と絡むのが、微妙なカメオ出演ってな感じで面白かったというか、思い出させてくれましたぃ。今回はいよいよ百合の父親と会って話をというところで、いきなり伊十郎の元に子どもを抱えた女が来て、あなたの子どもと言い始めるじゃないっすか。かなり豪快な展開ではありましたが、果たして二人は結ばれるのか、そして怪盗ほたる火の正体は……と、謎は次号に続きます。2013/07/11
めにい
4
「独り身」というのに最初から許嫁がいてびっくりしたが、こういう展開なのね。いつまでもふらふらしていて気持ちの定まらない男と、謎めいた女二人。合間に事件。となんともはや。。忙しない(笑)2014/06/28
Mayumi K
2
伊十郎の元へ赤子を連れた女性がやってきて、『あなたの子よ』と突然言われる。否定するも、女遊びが激しかった伊十郎は、周りに信じてもらえず、婚約者の父親にも知られてしまい、、。なかなか展開が深く、最後まで引っ張られました。日頃の行いは大事ですね(笑)2014/12/27
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