内容説明
五年前、渋谷で殺人を犯し、国際手配されていた船田透が突如帰国するとの情報が、追跡捜査係の西川大和の許に入った。逮捕されると分かりながら、なぜ船田は帰国するのか?無事逮捕できたものの、黙秘を続ける船田の態度に西川は不審を抱くのだった―。一方、五年前のビル放火事件の洗い直しを続ける沖田大輝は、犯行の動機に疑問を感じていた。細い手掛かりを求め奔走する沖田。やがて、それぞれの事件は、時を経て再び動き始める―。書き下ろし長篇警察小説。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年茨城県生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。新聞社勤務のかたわら小説を執筆し、2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ミカママ
472
第1作からずいぶん間を空けてしまったこちら。不安いっぱいで読み始めたが、西川刑事と沖田刑事、性格も捜査方法も正反対の名コンビ、設定がすうっと蘇ってきた。今回は事件内容がわたしの好きなタイプではなかったものの、この2人の活躍を、シリーズ最後まで追いかけるぞ(と、ここでも腕まくり)。2020/03/06
じいじ
112
仕事で口論できる「親友」っていいもんですね。とても読後感の良い小説でした。1作目の『交錯』で、このシリーズは面白いと確信していたが間違いなかった。渋谷署管内で、5年前に起きた二つの事件―その未解決事件に立ち向かう二人の刑事の奮闘記。プロットの面白さに加えて、登場人物のキャラづくりがとても見事です。冷静沈着な西川、短気で行動派の沖田の両刑事を柱として、脇を固める若手刑事たち(なかでも女性刑事が魅力的)が溌剌として気持ちがいいです。このシリーズは目が離せません。残り6冊、スタンバイ完了しました。2018/08/14
ゆみねこ
86
5年前に渋谷で起こった殺人事件。容疑者として国際手配されていた男・船田が突如帰国。西川が逮捕して取り調べを行うも、黙秘する船田。沖田は殺人事件と相前後して起こったビル放火事件を、三井さやかと共に追う。気の合わない西川・沖田にさやかが加わって、事件の捜査が大きく動く。まずまずの面白さ。2017/03/02
TakaUP48
68
5年前、殺人事件で国際手配されていた船田が、逮捕を承知で突如帰国。逮捕されるも、黙秘を続ける船田の態度に西川は不審を抱く。一方、五年前のビル放火事件の洗い直しを続けていた沖田は、犯行の動機に疑問を感じていた。やがて、2つの事件は繋がり…。口の堅い船田と、西川・沖田の長期戦の中で、「今ではこの男が何を考えているのか、ほとんど分かっていたが、その心境は沖田の理解を超えていた。人は、人間関係においては抽象的、あるいは一般化した考えができない。基本的には、自分が経験した範囲でしか理解できない。」深い人間関係か…。2025/05/12
Tsuyoshi
67
警視庁追跡捜査係シリーズ第2弾。前作同様西川と沖田の四十路刑事コンビを中心に5年前に起きた殺人事件およびビル放火事件を追う話。前作同様それぞれの事件が交錯する結末となったが、このシリーズはこの流れが続いていくのか?沖田と響子の結婚の行方も気になる。 2018/10/16