内容説明
帰国子女の菜々は、都内の女子高に通う十六歳。母親は作家で、シングルマザー。バツイチの編集者と同居している。学校では、イジメにあい、ブルセラでパンツを売らされている。菜々のクラスメートたちも、クスリ、売春、引きこもり、家庭内暴力…とそれぞれ悩みを抱えているが、「酒鬼薔薇聖斗」が逮捕された日、彼女は決意する。生まれた街で、もう一度すべてを始めよう、と。高校生の真実と親子の絆を描く衝撃の問題作、待望の文庫化。
著者等紹介
盛田隆二[モリタリュウジ]
1954年、東京生まれ。85年「夜よりも長い夢」で早稲田文学新人賞入選。90年『ストリート・チルドレン』が野間文芸新人賞候補に。92年には『サウダージ』が三島由紀夫賞候補となる
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感想・レビュー
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スナフキン
6
90年代後半の女子高生の実態を97年に起きた酒鬼薔薇事件と絡めながら生々しく描いた衝撃作。冒頭の過酷なイジメのシーンからラストまで性と暴力と薬物乱用のモチーフが繰り返される。全く救いが無い。子どもも大人も皆壊れている。かといって、対岸の火事と日和見できるような物語では無い。圧倒的にリアルで胸に迫ってくる。私は著者が真摯に時代に向き合ったこと、綺麗事や社会的価値観などに合わせず物語を構築したこと、安易な救済を提示しなかったことを高く評価したい。かなりのボリュームなのに一気読みしてしまった。面白かった。2019/06/09
オーキドさん
4
高校生(主として女子高生)の日常が描かれています。女子高生がブルセラに行って下着を売ったり、イジメ、クスリ、売春…を繰り返す。日常と言うのかは疑問です(笑 家庭内暴力や身勝手な大人達とか、あまり現実感を受けないのは、私の育った環境もあるのかなと思う。 1997年神戸で起きた事件(酒鬼薔薇...)が途中途中で挿入され、そのような時代背景もあっての描写かなと思いました。 性描写の生々しさには途中から食傷気味、いやらしいよりえぐいです。どんな世代や価値観の方に何を訴え、何を感じ、何を考えてもらおうとしたのか2018/02/22
tenma
3
相変わらず終り方が忙しない。もっとじっくり描いてくれればな、と思う。▼神戸の事件を中心に同世代の現状を作者なりの解釈で書いた作品。真新しい部分もない代わりに、一つの時代の考証として残されても良いかもしれない。▼志村奈々、中川雅也などどの登場人物にも安らぎがなく、荒んでいる。リアルと言えば聞こえは良いが、何もかも性悪説のように描かれてしまうと、全てが嘘の上塗りようにも思える。物語の核となる部分に芯がないと感動も薄れてしまう。纏め方によっては傑作だったのに何とも勿体無い。2010/09/08
フリューゲルのおんちゃん
2
帰国子女が、生まれた町で親子の絆を取り戻すという お話。2018/02/27
WindKoao
2
あまりに痛々しく、娘を持つ親には苦しい内容。で、言いたかったことは何?
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