出版社内容情報
【目次】
内容説明
令徳大学文学部一年生の小佐野菜乃は、新歓合宿で同学年の蓬〓倫也、泉秋久と出会う。三人とも、オカルト好きという共通点で意気投合し、『怪異研究会』を立ち上げることになった。しかし、その後蓬〓が音信不通になり行方がわからなくなってしまう。泉がXで見つけた動画には、夜の草叢に首を微妙に傾けてまっすぐ立つ、蓬〓によく似た男性が映っていた。その動画が撮影されたと思われる場所へ蓬〓を捜しに行った二人は、禍々しい黒い靄をまとった無機物のような彼の姿を目撃する。一方、菜乃のもとに、十八年前に起きた凄惨な事件に関する差出人不明のメールが届く。そして、泉と菜乃の身にも異変が起こり始める…。
著者等紹介
遠坂八重[トオサカヤエ]
神奈川県生まれ。2022年、『ドールハウスの惨劇』で第25回ボイルドエッグズ新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちゃん
46
オカルト好き大学生の小佐野菜乃、蓬萊倫也、泉秋久は「怪異研究会」を立ち上げる。しかし突然蓬莱が音信不通に。ようやく蓬莱を見つけた時には別人のようになっていた。やがて小佐野と泉にも次々と不可解な出来事が。教授と共に蓬莱を元に戻す方法を探るため廃集落を訪れるが…。/オカルト好きな大学生のホラー系都市伝説の検証を楽しんでいたら徐々に気持ち悪くて怖い展開に。壁に貼られた無数のお札、皮膚に埋まるお札、突然喉の奥に詰まる呪符、◯◯◯入りケーキ、もう想像するだけで鳥肌が。嫌な想像力がかき立てられるラストにもゾッとする。2025/07/08
ゆのん
39
暑い夏にはやっぱりホラーを読みたい。今年の夏も寝苦しい夜が連日続いている。ピッタリの一冊。突然様子がおかしくなったサークル仲間。友人2人は調査に乗り出すが…。妙なテンションの母親、引き篭もりの妹、壁には無数のお札、肌に埋め込まれるお札、異物入りケーキ、喉の奥に詰まるお札…。もうね、無理矢理想像させてくるから、嫌悪感と恐怖の2階建てで怖いから。ただ怖いだけじゃないから。『うわっ!』じゃなくて『うわーー…』って感じがして怖いよりも『嫌…』で一杯になるから。唯一の救いは教授のキャラ。この教授には再会したい。2025/03/15
ユウハル
8
まとわりつくような怖さ 理解不能な状況になると考えることをやめちゃう 期せずして巻き込まれているのか、自らの意思なのかだんだんわからなくなってくる怖さ。 もう関わらないで〜と思わず叫びそうになる。 世の中にはさわってはいけないものがあるのだ。 2025/07/15
あずき
4
廃集落で起こる怪異ではあるものの、その根底はもっと奥深くおぞましいです。遠坂さんならではの、ちょっと天然みたいな主人公の明るさが、怖さのちょっとした息抜きになってます。2025/07/12
ジジ
4
大学に入学して希望をもって入部した既存のオカルト研究会がイマイチだったため、そこで意気投合した3人で同好会を結成。 くだらない?怪異譚を検証していた矢先、行動力抜群の陽キャの倫也が突然休学。 その倫也らしき人物が深夜に彼の地元の河川敷で目撃されできることをネット掲示板で知る。 はたして、目撃されているの人物は突然休学した倫也なのか。 彼なら、彼に一体何がおきたのか? を追う、お話。2025/07/05