内容説明
派遣社員の長瀬正志は会社の倒産により失業。そして全財産も失い自殺しかけたところをオカマの桂木泉に助けられ、東京の下町・新小岩のゲストハウス「枝豆ハウス」で生活し始める。第3回「角川春樹小説賞」受賞作。
著者等紹介
又井健太[マタイケンタ]
1979年北海道生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。大手映像関連企業を10ヶ月で退社後、テレビドラマのAD、バーテンダー、アダルトビデオ制作、ホストなど20種近くの職業を経験。学生時代も含め、渡航したことのある国は47ヶ国におよぶ。『新小岩パラダイス』で第三回角川春樹小説賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫綺
64
第3回角川春樹小説賞受賞作品。タイトルと装丁から、能天気な若者が主人公のお気楽コメディだと思っていたのだが、結構ヘビーでダーティなテーマだった。結局世の中、金ではなく、叶う叶わないは別として、夢を追い求めることが大事ということ!!枝豆ハウスの宴会、物凄く楽しそうだった♪2012/03/18
myunclek
35
若さ故の現実からの逃避。目の前の現実から目を背けて、楽な道を選択してしまう。キラキラ光る大切な自由な時間さえも、ままならなくなって初めてかけがえの無い時間であったと気付くんだよな。無駄な時間を過ごしてしまった自分自身の過去を見るようで、笑いの中で涙が溢れる場面もありました。でも本当にやりたい事を見つけて突っ走るって言っても、夢を見つけることって難しいんだよな。2016/08/29
Maiラピ
27
第3回角川春樹小説賞受賞作、そしてなんと言ってもブックレビューのインタビューでの飾らないシャイでイマドキな横顔を知り、ぜひ本を読んでみたい!って思いました。等身大の日本の現状や矛盾に、最後は“どーでもいーやスイッチ”が発動。どうにもならない閉塞感、でも人生は続く。キラッと光る表現や文章が所々に散りばめられて、ドキッとする。ひとって結局ドラスチックに変わることなんて出来なくて、小さな自分の中で反省したり希望を持ったりして生きてるってのが悲しい現実でもあるな。2011/12/22
かずよ
27
共感出来るところ、出来ないところ半々って感じ。最後は良かったかな!枝豆ハウスみたいな所が実際にあれば、年越し派遣村なんかなくなるのにね。弱者に優しくない世の中になったものです。生きて行くだけでも大変な世の中みんな道を外さず暮らしていけたらいいですね。2011/12/06
メルル
26
底はいったい何度訪れるのか。どん底はどこ。どん底でもそばにいてくれる人はきっと人の弱さや辛さを知っている人。枝豆ハウスはそんな人たちがいて優しく迎えてくれる。でも甘えてばかりではだめ。自分で這い上がらなくちゃ。夢ばかり見ていられなくても夢から目を背けることはないじゃない。小さな小さな夢でもいいから見ていたい。お金も大事だけれどそれだけじゃない。人によって大切なものは違う。私にはたくさん大切なものがある。2015/10/19