出版社内容情報
〈人ならざるもの〉との交合を描いた、驚きの春画130余点を徹底解説。北斎「蛸と海女」だけじゃない、江戸の想像力の極致を見よ!
内容説明
とんでも春画―それは、私たちの常識を軽々と超えてゆく、尋常ならざる春画・艶本のこと。国貞・国芳らによる男根頭の妖怪変化から、背筋も凍る幽霊との交合図、そして北斎の傑作「蛸と海女」まで。江戸の想像力の極みと呼ぶべき、奇々怪々なる春画130余点を、気鋭の研究者が読み解きます。本邦初公開図版も多数掲載。「なんでこんなことに?」の果てに、豊饒なる江戸文化のありようが見えてきます。
目次
尋常ならざる春画はなぜ生まれたのか?
“とんでも春画”の全貌(妖怪;幽霊・死者;神仏;鬼・地獄;動物;奇想天外)
“とんでも春画”を読み解く(妖怪春画と江戸文化;春画に描かれた“異形の性神”―庶民信仰における性器イメージ;謎解き、北斉の「蛸と海女」)
著者等紹介
鈴木堅弘[スズキケンコウ]
1977年、愛知県生まれ。京都精華大学人文学部卒、総合研究大学院大学国際日本研究専攻(国際日本文化研究センター)博士課程後期課程修了。博士(学術)。京都精華大学非常勤講師。専門は、美術史、表象文化論。春画のほか、仏教説話画、大津絵、妖怪画まで、幅広く論じる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
143
現代の人が"不謹慎"なんて眉を顰めるエッチな描写なんてきっと歯牙にもかけられない。悲恋心中、百鬼夜行、幽霊動物果ては釈迦涅槃像まで露骨な性器モチーフ🙈すごいなぁ。昔の日本人のなんでも笑い飛ばしちゃおう的なパワフルさに終始圧倒されきりの1冊。目のやり場に困る上にここまで"とんでも"ばかりだと少し食傷気味( ・᷄꒳・᷅ )が、大変興味深かったです。くれぐれも外出先で開いてはならない禁断の書。2020/10/04
マエダ
90
我々の常識を軽々と超えてゆく、尋常ならざる春画・艶本の事をとんでも春画としているが、奇天烈な絵の数々だが需要あるのか2017/07/19
keroppi
77
こんなにも多彩な春画があったのか。妖怪、幽霊、神仏、動物が、交わったり性器となったり。この大らかさというか、信仰というか。人間の性とは奥深いものだ。最後を飾るのは、やはり葛飾北斎「蛸と海女」。この作品が、世界に与えた影響まで綴られる。2020/08/13
やいっち
77
できれば夏に読みたかったが、今年は梅雨明けが遅れて7月下旬も半ばが過ぎて夏は見えない。生物学の知見だと、大概の生物は子供を産み自立するまでがすべて。役目を終えると、他の動物に時にはメスや子供に喰われてしまう。が、人間はどこまでも生き延びようとする。その分、業も深い。六道の闇夜は際限なく続く。恐らく地獄(か極楽か分からないが)へ行っても業は燻りつづけるのだろう。その象徴が肉欲なのだろう。2020/07/27
小梅
72
借り本。いやいや、いつの時代も(笑)2017/08/24
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