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内容説明
人生はつまらない。それがあたりまえだと思って生きてきた吉次。だが、友人の“中佐”にそれではいけないと諭され、未だ知らぬ“萌え”を探求することに。しかし、中佐に渡されたマンガ本や小説、アニメなどを見ても、なにも感じない吉次。吉次には萌えがまったく理解できない。ついに中佐はアドバイザーとして、萌えの精、もえるを召喚する。果たして吉次は萌えを知ることができるのか…!?第九高校で、君は萌えの神を見る。
著者等紹介
十文字青[ジュウモンジアオ]
北海道大学文学部卒。第7回角川学園小説大賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たこやき
8
非常に無気力な主人公が、自分にしか見えない「萌神」の力でハーレム状態。よくある形のラブコメ作品を、ちょっと違った切り口で描いているな~……と思ったら、最後に爆発した(笑) メッセージとかはシンプルなものだし、展開も終盤に入るまでシンプルだし、結びもシンプル。なのに、どうしてこうなった?(笑) ある意味、訳の分からない終盤の世界って、独特のセンスに溢れていると思う。2011/04/06
星野流人
7
「萌神」というタイトルに、萌え系イラストの表紙。しかし中身はいつもの第九シリーズらしい、やや暗めなストーリー。無気力に日々を浪費する主人公・吉次が、それぞれクセのあるヒロインたちの間で揺れ動く。更には萌神などという人外の存在が、吉次が“萌える”手助けをする……と、書き手が書き手ならばそれなりに萌える作品になりそうだが……第九らしい暗い雰囲気が、うまく作品のアクセントになっていた。三人のヒロインとの関係をどうまとめるつもりなのかと思っていたら、ラスト付近で物語は斜め上方へと一気に加速。2011/11/18
椎名
5
なにを言っているかわからねぇと思うがレベルの超展開。毛色の違う第九というより、狂気を覚える方向に吹っ飛んだな……。求めるということが生きるということであるなら、吉次は萌えという愛を知ることで生を手にしたのでしょう。好きという言葉にしかならない、萌えという言葉でしか言い表せない、たまらなく胸が詰まるどうしようもない感覚は体感してみないとわからない。/何がいいんだよ、と思うかもしれないが、「いいのよ」という言葉でしか救われないときってあるよなあと。これもまた、体感したことのある人間にしかわからない。2014/05/19
秋山真琴
4
何をするにしても無気力で怠惰な主人公に、せめて萌えの力で生きる活力を与えよう……という話かと思いきや「これ、妄想なんじゃね?」という暗い予感を与えつつ、不気味なテンションで本編が突っ走る。と、思いきや、最後の最後で想像を絶する超怒涛展開が始まって全秋山がスタンディングオベーション。この狂気は肯定したい。2012/08/08
あかふく
4
萌え性についての自己言及。それのいきつくところが「愛」になってしまうというのがとても面白かったです。「永遠のハニャーン」での書き方が明らかにおかしくて、恐ろしかった。2012/06/29