ライブミュージックの社会学

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ライブミュージックの社会学

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  • サイズ A5判/ページ数 248p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787235534
  • NDC分類 764.7
  • Cコード C0036

内容説明

コロナ禍での混乱・停滞を経てもなお、ライブミュージックは音楽文化や流行を力強く牽引し、現代社会のポピュラー音楽シーンでの存在感をますます増している。ライブミュージックをめぐる多角的な考察を通して、日本そして世界を覆う音楽文化の現在地を活写する。

目次

序 ライブミュージックの現況(南田勝也)
第1部 ライブ文化の形成と展開(コンサート・パフォーマンスの歴史―クラシック音楽とポピュラー音楽の身体(宮本直美)
PA実践の文化史―循環器としてのサウンドシステムが生む「ライブ」な交歓(忠聡太)
ライブパフォーマンスの半世紀―聴く/視るの二軸をもとに(南田勝也)
巨大化するライブ産業―アメリカのライブ・フェスの現状(永井純一;山添南海子))
第2部 それぞれの現場(ライブハウス店長の生活史―二〇一〇年代以降の「オルタナティブ」な場所作り(生井達也)
K‐POPライブとファン―世代交代による進化と越境(吉光正絵)
3DCGライブの行方―初音ミクから考える音楽公演(南田勝也;木島由晶;永井純一;平石貴士)
推し活への唯物論的アプローチ―場所・モノから考える推し活のいま(阿部真大)
配信ライブの快楽と不満―メディアを介したライブ体験の行方(木島由晶))
終章 ライブが存在感を増した社会背景―メディア、社会意識、共同体(南田勝也)

著者等紹介

南田勝也[ミナミダカツヤ]
1967年、兵庫県生まれ。武蔵大学社会学部教授。専攻は音楽社会学、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

120
ライブミュージックの発生と歴史、音楽ジャンルの拡大による細分化から21世紀までのプロセスを包括的に描き出す。多数の観客が好きな音楽とパフォーマンスを見ながら一体感に浸るライブは、それまでの音楽を聴くだけのコンサートから音像を楽しむ新ジャンルへステップアップした。コロナ禍で逼塞して配信や録画だけでしか楽しめなくなると、自分たちがいかに実演を求めているかを再認識させた。KPOPや3DCGなども加わり、今後の芸能界はファンを魅了するライブを実現する能力こそ求められ、音楽シーン自体を一変させる原動力となったのだ。2025/06/19

無重力蜜柑

10
ライブ文化論に関するアンソロジー。文化や技術、産業の歴史的展開に関する第一部と、現代の個別の音楽ジャンルに関する第二部から成る。なかなか面白かった。学術的な立論が比較的しっかりしているのは第一部なのだが、データの列挙と表層的な分析に留まっている第二部の方が「現代」にフォーカスしている分、寧ろ価値が高いかもしれない。ライブというものに行ってみたくなる。ところでこれはライブミュージックに限らず文化研究全般に言えることだが、アカデミアにいる人間の波長に合うジャンルばかり掘り下げられがちなのはやはりアレ。2025/11/30

ぷほは

5
満足度が高い。変化のスピードが速く、また多様でもある領域なので、こうした書籍を編むこと自体がかなりのハードルであろうにもかかわらず、KPOPから19世紀のコンチェルト、マジミラなどの3Dライブから地方のオルタナティブなライブハウス、果ては配信ライブからアメリカの大手プロモーター、痛バやアクスタなどの推し活まで、かなりツボを押さえた章構成で、非常に勉強になった。21世紀におけるアウラの行方として「モノ消費からコト消費」という安易な図式ではなく「レコーディング音源からライブ音像へ」という説明も納得させられた。2025/08/25

manabukimoto

3
ライブミュージック周辺の社会学的考察。 第一章「コンサートパフォーマンスの歴史」今となっては堅苦しさが流儀になってしまっているクラシック音楽。「歌詞がなくて意味ない」と歌より軽んじられていた器楽曲を、黙って静かに聴くべしと言い出したのは19世紀の「教養市民」たち。そこから娯楽だったクラシック音楽が、理解する営みに変わり、「沈黙する聴衆と身体抑制」が世界的に行き渡る。 第八章「推し活への唯物論的アプローチ」ファンが作る(使う)モノとモノが作るファン。何処までも金を吸い取られる構図。 福井県立図書館蔵書2025/04/23

じぇい

1
『ライブ』という一つのイベントを、聴覚、視覚、産業、生活、物販といった様々な視点から見てその変遷を紐解きつつ、ライブでしか得られないあの熱狂がどのようにして生み出されるのかや、これからのライブ産業はどこへ向かっていくのか等について分析された本。 どれ一つとして同じものはないというアウラ性と、歓声やモッシュに代表される一体性こそがライブの本髄であり、昨今ではそこにグッズを通した独自のファンダムが加わる、という話。 自分がライブに行く理由が緻密に分析、言語化されたようで、スッキリとした読後感を味わえた。2025/06/28

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