内容説明
宣命の表記に関連して木簡の表記や用字の分析を進め、藤原宮木簡に国文的傾向が強く、荷札の物品名に万葉仮名表記の多いことなどをめぐり、文章史や言語生活史に関連する新しい見解を示し、また、記紀歌謡をはじめとする上代文学の読解に木簡の研究を応用した。ほか、稲荷山古墳鉄剣銘・祝詞・高橋氏文など、宣命と関連性の強い資料に就いての考察をふくむ。古代の歴史、あるいは文学の研究のためにも、必須の書。
目次
第1部 宣命体表記とその成立過程(藤原宮跡出土の宣命木簡に関して;宣命の文章と語法;宣命と上代における漢籍の訓読;宣命の起源と詔勅;宣命の作者について ほか)
第2部 用語・諸資料(金石文・木簡・文書の語彙;宣命・祝詞の共通用語に関して;宣命・祝詞の語彙;宣命の訓読に関して;宣命における「あり」の融合過程 ほか)