出版社内容情報
タックス・ヘイブンと戦う方法について最良の書を著した。必読書である――トマ・ピケティ
グローバル資本主義の暗部「タックス・ヘイブン」。近年、先進国の協調による包囲網が敷かれているとはいえ、巨額な資金が税金逃れを目的に依然として流れ込んでいる。まだ20代の若手経済学者によって書かれた本書は、タックス・ヘイブンの実体を経済学的手法により、客観的に計測、現在の対策を検証し、そして未来のグローバルな課税対策を提案する。
イントロダクション
タックス・ヘイブンに対して行動を起こそう
第1章 オフショア金融の時代
タックス・ヘイブンの誕生
タックス・ヘイブンとしてのスイスの黄金時代
ヴァージン諸島、スイス、ルクセンブルグという魔の三角地帯
第2章 国家の失われた富
世帯の金融資産の8%
ルクセンブルグという奈落の底
千三百億ユーロの税収の喪失
フランスの場合
第3章 避けるべきミス
自動的情報交換システムの誕生
カユザック予算相の脱税事件からの教訓
外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)に期待できること
EU貯蓄課税指令の大失敗
第4章 何をなすべきか。新たなアプローチ
金融制裁、貿易制裁
正当化できて現実的な制裁
制裁関税率計画を作成する
ルクセンブルグ:これからまだ伸びるのか
世界的な金融資産台帳の実現に向けて
資本に対する課税
多国籍企業の会計操作
21世紀社会の租税
解説
タックス・ヘイブン入門
本書の位置付け
日本人にとってのタックス・ヘイブン
【著者紹介】
1986年パリ生まれ。LSE准教授。トマ・ピケティの教え子。
目次
タックス・ヘイブンに対して行動を起こそう(解決策は存在する;タックス・ヘイブンとの戦いに要するコスト ほか)
第1章 オフショア金融の時代(タックス・ヘイブンの誕生;タックス・ヘイブンを利用する脱税のからくり ほか)
第2章 失われた国富(家計の金融資産の8%;ルクセンブルクという深淵 ほか)
第3章 避けるべきミス(租税情報交換協定の誕生;「オンデマンド型」租税情報交換という茶番 ほか)
第4章 何をなすべきか―新たなアプローチ(金融制裁、貿易制裁;正当化でき、実現性のある制裁 ほか)
著者等紹介
ズックマン,ガブリエル[ズックマン,ガブリエル] [Zucman,Gabriel]
1986年パリ生まれ。2013年、パリ経済学校でトマ・ピケティのもと博士号(経済学)を取得。カリフォルニア大学バークレー校研究員を経て、2014年からロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの准教授に就任。専門はグローバルな富の蓄積と再分配、公共ファイナンス
林昌宏[ハヤシマサヒロ]
1965年生まれ。立命館大学経済学部卒業。翻訳家
渡辺智之[ワタナベサトシ]
1957年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科教授。東京大学経済学部卒業。プリンストン大学Ph.D.(経済学)。IMFエコノミスト、財務省主税局企画官、中央大学教授等を経て、2005年より現職。OECD租税委員会第9作業部会副議長、一橋大学国際・公共政策大学院院長等を歴任。専門は租税論・法と経済学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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