内容説明
近未来にアーリマンは人間となってこの地上に現れる。天使の働きを妨げ、キリストと対峙し、人類を脅かす「悪の存在」とはなにか。
目次
第1章 人間との関係におけるキリスト、アーリマン、ルシファーの本質
第2章 キリストの行為と、キリストに敵対する霊的な力としてのルシファー、アーリマン、アスラについて
第3章 ルシファーとアーリマンの受肉について
第4章 アーリマンの学院と人類の未来に関する三つの予言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
63
シュタイナー学校で有名なルドルフ・シュタイナーの悪の働きについての講演を収録したもの。シュタイナーの悪の考え方はユニークです。人間はルシファーとアーリマンという2つの悪の働きの影響を受けると考えます。サタンの影響を受けるというキリスト教の考え方と異なっています。アーリマンは人間を俗物にします。人生の目的は金と権力と言った感じです。ルシファーの働きはその逆で宗教などの目に見えない世界にのめり込んで、他の人は構わなくなります。人間はこの2つの悪の間に均衡を見出して生きることが求められます。(続く)2013/10/11
無能なガラス屋
7
「皆さんが霊界を見る能力を身につけることができるのは、物質界にいるときだけです。『そもそも人間はなぜ物質界に降りてきたのか』という疑問を抱く人は、この点を心に留めておいていただきたいと思います。人間は霊的な世界が見えるようになるために、この地上に降りてきたのです。」2024/01/31
レートー・タト
4
悪についての講演から独自に抽出されて編纂された本。シュタイナーはルシファーとアーリマンから人間にもたらされた悪を必要悪と考えている。自由の可能性もまた悪の力の助けによって得られた。宇宙の計画上に存在するものは本来全て善きものであり、この必要悪は、悪としては特定の期間に限って存続するにすぎず、それは人間に与えられた試練である。人間が未来を切り開くためには、この悪に負けるのではなく、キリスト衝動によってルシファーとアーリマンの間に均衡をとり、この悪しき存在でさえも救済して善へと変容させることが問われる。2012/10/29
梅崎 幸吉
2
我々人類の進化を阻む魔的存在。 この著作を読めば真摯に生きなければならぬと思うであろう。 しかし、唯物論的世界観、衣食住にのみに呪縛されている人々には空想妄想の類の内容とみなすと思われる。 アーリマンにとって物質界に執着する人物達の想念は養分となる。 ゲーテの「ファウスト」に登場するメフィストフェレスがアーリマンである。 人間の血は自我であり、血で契約するとは己の魂を売る事である。 キリストとの荒野での戦いは未だに決着がついてはいない。 人はパンを欲するのである。そのことをしかと知るべきであろう。
ラタン
2
アーリマンとルシファーについて詳細に書かれている。更に1998年のアーリマンの受肉についても予言された本。金融が市場を支配してる現代社会の実相を見抜くのに大切な本と言えるだろう。2014/12/20