内容説明
ある日、下女が夜空の星を見上げるなら―?わたしたちの生に気づきと勇気を贈る、静かな「哲学」への招待。
目次
プロローグ 哲学者と下女、そして星に関する話
第1章 天国には哲学がない
第2章 学びの手前で学びは起きる
第3章 些細なことは些細ではない
第4章 むやみに膝を折ってはならない
第5章 わたしたちは資本主義収容所に生きている
第6章 野蛮人がわたしたちを救う
エピローグ 正しい言葉は正しい言葉であるのみだ
著者等紹介
高秉權[コビョングォン]
ソウル大学化学科卒業後、同大学院社会学科で博士課程修了
今津有梨[イマズユリ]
一橋大学大学院言語社会研究科博士課程に在籍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロア
17
「思う存分恨め。私もまた、ひとりも赦しはしない」「生において何かを学ぼうとするならば、自分が同意しないことにたやすく首を縦に振ったり膝を折り曲げてはならない」「むしろ我執こそ自分の習慣と偏見(それを植えつけた社会と文化)に屈服することだ。奴隷とは、自分自身が正しいのか正しくないのかを問い正す能力がない存在、あるいはそのようなことに無関心な存在を指す。したがって奴隷は習慣、メディア、権力者に、そして多数に寄りかかるのだ。たやすく屈服するということは、何かを学ぶことを可能にする基盤がないということと同じだ」2017/07/28
ロア
14
「哲学とは学問ではなく生の問題であり おこないなのだ」✴︎誰かに宛てた「手紙」のように綴られたことば。そこに提起された問い、思考や洞察に、幾度もはっとさせられた。 ずっと手元に置いておきたい本がまた一つ増えました。2017/07/24
Rieko Ito
2
短い章からなるが、地蔵菩薩、ウィトゲンシュタイン、障害者夜学など話題は幅広い。全体を通して何かを学ぶというより、様々な物事をどう見るかを考えるよう促される本。2022/10/25
のむ
1
この本は機知ある挿話や言葉に溢れている。そんなわけで、いい話だなあ、いい言葉だなあ、と思い続けながら読んでいたが、エピローグの「正しい言葉は正しい言葉であるのみだ」で見事に足を掬われた。曰く、所謂ありがたいお言葉の殆どは炭酸飲料のような瞬間的な爽快感を与えてくれるだけで終わってしまう。それは自分の胃で消化していないからだと。ぐうの音も出ない。佐々木中が『切りとれ、あの祈る手を』で繰り返し述べたように、本当に読んだなら読んでしまったならその通り生きる他ないというのに、私はまた表面的読書で満足しかけた。反省。2019/04/25
じま
1
こんなにいい本なのに感想が無いというのが結構ショック。名言だらけで、読むと勉強のやる気がじわじわ湧いてくる。とは言え、一気読みにはあまり適していない。なぜなら一つ一つの章がほぼ独立しているから。そして「勉強することの価値」を手を変え品を変え見せてくれる内容でありながら、これ自体は「勉強」というには軽い内容なので、もっともっと勉強したい~~というフラストレーションがたまって気が散るから。読み口としては内田樹に似ている。緑と白の表紙も爽やかでよい。2017/05/17
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- 和書
- 夜にとろける 〈1〉