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産巣日(むすび)の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あすなろ
83
ガンジーという人物が初めて掴めた気がした。欲望の抑制の根底思想から断食や国益重視の考えが出る。知足の精神というのも学べた。知識と足は繋がっていなくてはならない。つまり哲学は行動しなくてはならぬし、行動は哲学を伴う必要あり。もっと左がかった方かと勘違いしていた。知らぬは怖いこと。ガンジーが若かりし頃、欲望塗れだったことも知らなかったこと。欲望を抑制して欲望から自由になれ、という体現の人物だった。2017/03/19
アナーキー靴下
76
ひとたび戦争が始まれば戦争反対は方法論でしかない。膠着状態に何もできない現状。一人一人の平和希求の心が大切だと教えられてきたのに、そんなの何の意味もない。過去の戦争を分析しようが反省しようが心に留め置こうが何の役にも立たない。今まで生きてきたのは願望が作り出した虚像の世界だったのだろうか。この歳になってそんな子供じみたショックを受けている阿呆は私一人なのだろうか。そんな心境で、ニュースからも目を背けたくなっていたけれど、以前番組で偶然ガンジー回を観たことを思い出し、読んだ。在りたい世界を生きようと思った。2022/04/30
ころこ
33
「非暴力」を安易に強調したくない。こんな読者もいるのではないか。ぼくはまさに、その様に読んだ。まずは、ガンディーの生涯が紹介されている。微妙なニュアンスがあり、何となく知っている人にも今一度確認する上でも何らかの収穫はある。ガンディーとは何者だろうか。「塩の行進」はモーセの海割りの様でもあり、デモの行進の様でもある。宗教者なのか、政治家なのか。この人にあまり理論をみたくない。何かを信じるというのは政治的イデオロギーでも同じで、他方、影響を与えてある行為を半ば強制するというのは宗教にも頻繁に起こることだ。著2022/10/04
nbhd
30
聖人ガンディーではなく、「性欲まみれで」「矛盾だらけ」のガンディーもひっくるめてのガンディー入門。本は薄いけど、とても濃いい。ガンディーにおける「メタ宗教」「近代を通じた近代の超克」「暴力」「経済倫理」あたりがテーマ。ガンディー周辺だけでなく、「苦海浄土」や親鸞、柳宗悦も参照されていて、僕としては大好物だらけだ。なわけで、今月の100分de名著は期待大で録画永久保存も間違いなし。そしておそらくガンディーを通り越して、中島岳志さんの哲学になりそうな予感。2017/02/02
かず
22
付箋は沢山ついた。しかし、蒙を啓かれたという思いはない。なぜなら、自分が考えていたことと同じだったからだ。ガンディーが仏教を学んでいた事、また、本書でカントの思想が引用されていたが、本書を読む前に『永遠平和のために』を読んでいたことから、私がガンディーに関心を持ったのは当然だと思った。唯一つ、明確に差があることがある。ガンディーは実際に行動し、社会を変革したこと。いくら同様の思想を心に抱いたとしても、実際に行動しなければ何も意味がない。先週受けた研修とエンジン01で誓った「主体性」をもって生きたいと思う。2022/10/31