目次
第1章 予備的討論
第2章 痴呆にみられる精神病様状態―自験例の調査から
第3章 痴呆にみられる妄想の症候論
第4章 もの盗られ妄想の精神力動
第5章 痴呆の構造再考
第6章 もの盗られ妄想の生成
第7章 もの盗られ妄想の治療
第8章 アルツハイマー型痴呆と脳血管性痴呆
終章 精神病理学的方法の意味と限界
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kierke🎂26
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冒頭のまとめなどは興味深かった。ただ、後になるほど表面的な考察に終止してしまっている感は否めなかった。認知症のbpsdが心因に根ざしている部分は確かにあるが、そこからユングの集合的無意識みたいな次元まで話が進むと、困ってしまう。とは言え、物盗られ妄想や暴言の根に様々な歯がゆさがあるであろうことは、なんとなく納得できる。惜しむらくは、家族のケアについての話がないこと。力動精神医学であるなら、物盗られ妄想と家族関係の悪化の悪循環などは容易に想像がつくと思う。それがないから、皮層上滑りの感は否めない。2025/07/15
カラ崎検査官
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アルツハイマー型認知症の方の、もの盗られ妄想の力動的理解を中心に。喪失がポイントに。2018/01/11