出版社内容情報
治そうとすること，理解してやろうとすることがもたらす矛盾を，ありのままに記述し，興味をもって分析するところから始まった動機づけ面接は，エビデンスに基づく心理療法としてその適用範囲を広げている。本書は動機づけ面接の本邦初の解説書。豊富な日本語逐語録を収録し，具体性を持って，そのスピリットを学べる好著である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いとう
6
動機付け面接は、外からやる気を与え、相手を動かすための技術と考えられ、多くの本は技術や習得方法が紹介されがちになるなか、本書は動機付け面接のスピリット（p23）を重視する。 まずはp108から読んで、原井先生の背景から知ったほうがよさそう。多くの先生との出会いによってDSM的な記述的精神病理学ではなく、人間的な人間学的精神病理学に傾倒していく来歴がわかり、症状に対する治療的な動機付け面接ではなく、人間の自立、尊重のための（方法としての）動機付け面接だとわかる。 緒言にある通り、技術習得ならば他書がよい。2023/07/03
まろすけ
5
著者のクオリティはすごく高いけどロジカルすぎて好みが分かれそう。しかし間違いなく一読の価値はあった。MIは、クライアントの中にある矛盾を拡大し、両面性をもった複雑な感情であるアンビバレンスを探って明らかにし、矛盾を解決する方向に持っていき、最終的にはどのように行動を変えるかを明言するようになることを目指す。MIの原理:1共感表出。クライアントを正解に理解しようとし、問題解決へと協働する。2矛盾模索。矛盾を拡げる。葛藤が変化のエンジン。3抵抗転用。抵抗を手玉にとる。4自力支援。自己決定を尊重。コメント欄へ。2017/10/05
ひろか
4
8/21再読。本にも書かれているとおり、読んでもできるようにはならない。今年はぜひワークショップに行こう本編読了（後半１／５くらいは資料）。動機づけ面接法に関する訳書はいくつかあるが、いまいちスッと入ってこなかったが、日本で唯一？のMIのトレーナーでる、原井先生のいろいろな感情も含めて、内容が理解できる。しっかり読み込んでいきたい本。今年はまだ上半期であるが、おそらく今年５本の指には入るだろうと思う。2012/06/04
のほほん堂
1
OARS、開かれた質問、是認、聞き返し、サマライズ／「リラクゼーションと癒やし専門の治せないカウンセラー」／「うつだから、疲れやすい」「うつだから、食欲がない」、同語反復／「単純な聞き返し」とか「増幅した聞き返し」とか過去の認知行動療法のカウンセリングのセッションでも使われていた記憶がする／(^o^)＼／電話セールスマンとのMIでのやり取りが白眉。「なに話してんですか？頭がおかしいんじゃないの？」／「気になることはそのままにしておきなさい。嫌な気持ちのままでいることがエクスポージャーだ」2018/02/28
Yukaっち
1
難しいです…。が、後から読み返すと「あっ」という発見が多い本です。2014/09/09
