内容説明
中道がファシズムを準備する。この四半世紀、世界のあらゆる場所で観察された「エキストリーム・センター(極中道)」。この趨勢はファシズムへの道を整備し、彼らを政治の舞台に上げることとなる。待望の日本初の「エキセン」論集かつ決定版。
著者等紹介
酒井隆史[サカイタカシ]
1965年生まれ。大阪公立大学教授。社会思想、都市史
山下雄大[ヤマシタタケオ]
1988年生まれ。中央大学ほか非常勤講師。政治哲学、政治思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayan
21
主要政党が社会変革を放棄し、グローバル市場の要求を至上命令とする支配体制を「極端な中道」と定義、本書はその危機を告発。その警告と代替案の火種が必要と議論。NY市長マムダニが生活費に公的介入する施策はお米券や2万円給付に通じるも本書の議論はその構造的変革を避けた対症療法を批判する。資本主義の即時的な完全廃止ではないが、本書は市場原理の徹底的な否定を議論。NO成長・NO収入UPと内面化された世俗の三位一体→我々の不安は無視。限界では?市場原理の否定が生存手段を失うディストピア状態の直結と本能的危機に身構える。2025/11/20
hiroizm
13
一部で注目の政治観点「極中道」の評論集と聞いて読書。政治的言論上の冷静さ、節度をある態の「穏健」、状況に合わせて理念を変える「日和見・風見鶏」、権力掌握と維持が目的という「権力欲」の三つが極中道の基本三大要素。マクロン現仏大統領がポピュリズムを応用した選挙運動で当選したようで、その批判の中で注目された政治論考とのこと。そのため前半は仏現代社会批評がメイン、読み手の基礎知識要求度も高めで「ブリュメール18日」「実存主義者のカフェ」を斜めでも読んどいて良かった〜、と思ったぐらい。素人にはいささかハード。2025/10/11
檜田相一
5
本の帯の「中道がファシズムを準備する」というという言葉が言い得て妙。フランス革命において激しいテロルを行ったのはまさに中道であった。現在が「分断の時代である」ことに対する問題意識が世の中に溢れるが、その対立を解消しようと、さまざまな対立的な要素を「極端」であると排除する動きによって、デモクラシーの基本である異なる意見のぶつけ合いが否定・排除されてしまうという鋭い批判。学問における政治性の排除の問題も読み応えがあるが、細かい議論が多く、単に「エキストリーム・センター」という概念を知りたい人には不親切だと思う2025/11/27
etoman
4
極左でもなく極右でもなく極中道(エキセン)という新たな政治思想が世の中を動かして、しかもファシズムを招き入れるということに興味を持って読んだが、いまいち肝心要のエキセンが分からなかった。自分、頭悪いなあーと思ってしまう。ともあれ、マクロンとフランスのマスコミの話は興味深かった。2025/12/01
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