目次
序章 季語以前
春の章(木霊との対話;ねずみと木挽き;子守唄の記憶;わらべうたの伝統と創造)
夏の章(田植の風景;田の神と唄と;恐山大祭;祭りのかたちと声)
秋の章(盆の時空;川の精霊と神々;馬と牛をめぐる言葉)
冬の章(神楽における神と人;いくつもの正月;鳥を追う・虫を送る;鬼と子ども)
著者等紹介
小池淳一[コイケジュンイチ]
1963年生まれ。国立歴史民俗博物館助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
7
「臼田甚五郎は戦前に中国地方の田植行事を実地に見て歩き先駆的な見解を…提出している。そのなかで、島根県飯石郡吉田村民俗で小雨の降る中での田植に出会った。晴天であれば、太鼓を持っているはずのサゲが雨天のために、簑笠をつけ、サゲ杖という杖を手に持ち、竹のささらをそれに打ち当てながら音頭をとる姿に、サゲ本来の姿を感じ取った記憶を…記している。杖を持つ簑笠姿に折口信夫のいうところの「まれびと」のイメージを結びつけることもできるし、その杖は単なる拍子取りの…楽器でもなく、田の神が寄りつく標識であり、呪力が宿るもの」2019/01/16